2008-07-21 ArtNo.41225
◆インド政府、IAEA会議で安全保障協定の主旨説明
【ムンバイ】インド政府は国会下院における内閣信任動議の洗礼を未だ受けていないにも関わらず、18日ウィーンの国際原子力機関(IAEA)理事会会議の席上、インドに特別待遇を認める原子力安全保障協定(Nuclear safeguards agreement)の主旨説明を行ったもようだ。
ザ・ヒンドゥーとヒンドゥー・ビジネス・ラインが7月15/17日伝えたところによると、IEA筋は14日PTI通信に以上の消息を語った。それによると、インド政府は14日、IAEA理事会メンバー35カ国に7月18日に理事会に報告を行う方針を伝えた。
インドは当初IAEAメンバー140カ国全てに対して報告を行うことを予定していたが、その後IAEA理事国35カ国のみにスケールダウンした。35カ国中26カ国は原子力供給国グループ(NSG:Nuclear Suppliers Group)メンバーに名を連ねており、残りの19カ国もNSGネーション。
インドとIAEAにより7日に署名された安全保障協定報告会の招待状はインドのSaurabh Kumarオーストリア駐在大使により送付された。インド政府は外務省幹部をウィーンに派遣し、同報告を行わせたものと見られる。IAEA理事会は同報告を受けて、8月1日に会議を開きインド米国民生用核協力協定の実現に向けた補完措置を決定する見通しだ。当初7月28日に開かれる予定だった8月1日の会議では、核安全保障面でのインドに対する特別待遇とインド米国民生用核協力協定の補完に関するコンセンサス形成が図られる。IAEA理事会メンバー35カ国のコンセンサス形成のための非公式協議は既に続けられており、同積み上げを踏み台に8月1日の正式会議が催されたもよう。
IAEAメンバー144カ国にも同時に送付された核安全保障協定草案の内容を、インド外務省は左派政党の非難を受けた後、WEBサイトに掲載した。
IAEA安全保障協定は、インドがNSG45カ国の一回限りの恒久的な認証を取得し、国際核燃料取引市場に参入する前に、必ず踏まねばならない重要なステップである。IAEA理事会は通常、関係国が安全保障協定草案を提出した45日後に会議を開くが、モハメッド・エルバラダイIAEA代表の協力な支持や、ブッシュ大統領の在任期間にインド米国民生用核協力協定を成立させようとする米印両国の強い意志を汲み取り、今回に限り早期開催が決まった。とは言え、インド米国民生用核協力協定は、IAEAとNSGの承認後、さらに米国下院における承認も得ねばならない。
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