【ニューデリー】高水準の鉱業生産に支えられ、2008-09年の最初の月、4月の工業生産指数(IIP)成長率は前月の3.9%(暫定数字3%から上方修正)から7%に復調した。
エコノミック・タイムズ、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、インディアン・エクスプレス、デカン・ヘラルド、ビジネス・スタンダードが6月12/13日、中央統計局(CSO:Central Statistical Organisation)の発表を引用し伝えたところによると、とは言え4月のIIP成長率は、昨年同月の11.3%の伸びを依然として大きく下回っている。
今年4月の数字を部門別に見ると鉱業は8.6%(2.6%)、製造業は7.5%(12.4%)、電力は1.4%(8.7%)と、鉱業以外は何れも昨年同月の伸び(括弧内の数字、以下同様)を大きく下回った。
用途に基づく分類(use-based classification)によれば、消費財部門の伸びは8.9%(14.7%)、非耐久消費財部門は9.8%(18.7%)、耐久消費財部門は5.5%(2.4%)、中間財部門は4.2%(10.6%)、資本財部門は14.2%(10.9%)、基本財部門は4.6%(8.6%)と、資本財部門と耐久消費財部門を除き、何れも昨年同期の伸びに及ばなかった。
しかしインフレが急進する中で、消費者の購買意欲の減退が予想されたにも関わらず、非耐久消費財の伸び率は前月の0.9%から9.8%に、耐久消費財部門のそれは同-1.8%から5.5%に、消費財部門は全体として同0.9%から8.9%に、顕著な復調を見た。また資本財部門の伸びも前月の11%から14.2%に加速、企業の投資意欲も引き続き旺盛なことを裏付けた。中央銀行(RBI)は、こうした復調を背景に11日、レポレートを25ベイシス・ポイント引き上げた。
信用格付け会社Rating Information Services of India Ltd(CRISIL)のDharmakirti Joshi主任エコノミストは「インフレ抑制に照準を合わせた中央銀行の措置は正しく、今後も一層引き締めを強化するものと予想される。しかし中央銀行のこうした措置は工業成長の鈍化傾向に拍車をかける可能性がある」と指摘した。
インド国際経済関係調査委員会(ICRIER:Indian Council for Research on International Economic Relations)のRajiv Kumar理事兼CEOも「4月のIIP成長率は今年の経済成長が低めに推移することを示しており、また信用の縮小とコストの上昇を反映している。消費需要は既に下降しており、工業成長率鈍化のスタートと見ることができる。インフレが高進する中では中央銀行が金利を引き下げる余地もない」と語った。