【ニューデリー】インドの主要移動体電話業者組織は、携帯電話機の放射線レベルをモニターのメニューに含めることを製造業者に義務づけると言う政府の提案に反対を表明した。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが6月7日報じたところによると、電信局(DOT: Department of Telecom)は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP:International Commission on Non-Ionising Radiation Protection)のガイドラインに沿って携帯電話端末スクリーン・メニューに比吸収率(SRA:specific absorption rate生体が電磁界にさらされることによって、単位質量あたりの組織に単位時間に吸収されるエネルギー量)レベルの表示を義務づける可能性を検討している。ICNIRPは携帯電話端末製造業者にSARを2W/kg以下に抑えるよう求めている。
GSMオペレーターはDOTに宛てた書簡の中で、「政府はICNIRPガイドラインに沿った K準を設けるべきだが、携帯端末へのSARレベルの表示を義務づけるべきではない。何故ならインド国内で販売されている大部分の携帯電話端末は放射線レベルの国際基準を満たしており、端末の説明書やWEBサイトにSARレベルは既に表示されている」と述べている。
GSM業者を代表するインド・セル式電話業者協会(COAI:Cellular Operators Association of India)はまた、移動体通信基地(mobile base station)の放射線レベルを測定し、認定証を発行する適合性評価機関(CAB:Conformity Assessment Body)を設立すると言うDOTの構想にも反対している。インド国内には30万基以上の携帯電話用通信タワーが存在し、これらのタワーも放射線は出している。
セル式電話業者は、「これらのタワーの放射線レベルは妥当な水準に保たれている。もし認証取得を義務づけるなら、関係プロジェクトを大幅に遅延させ、コストを膨張させる。検査認証を義務づけてプロジェクトを遅延させるよりは、放射線レベルの維持を業者の自主規制に委ね、携帯電話の迅速な普及を優先させるべきである」としている。