2008-06-11 ArtNo.41096
◆国営鉄鋼会社SAIL、国営海運と合弁で海運事業進出検討
【チェンナイ】国営製鉄会社Steel Authority of India Ltd(SAIL)は、国営海運会社Shipping Corporation of India Ltd(SCIL)との合弁会社を通じ撒積運搬船(bulk carrier)を数隻保有する可能性を検討している。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが6月7日報じたところによると、SAILのS.K. Roongta会長はこのほどHindu出版グループと会談し以上の構想を明らかにした。それによると、自前の船舶を保持することにより、運搬船の供給が逼迫した際や非常時のリスクを回避し、ヘッジ効果や運賃収入も望める。
SAILのロジスティクス・コストは2007-08年売上げ4万5555クロー(US$106.69億)の10%前後を占めた。この年同社はオーストラリア/中国/ロシア/エジプト等からコークス用炭等の貨物1000万トン近くを輸入した。
過去3年間に海運料は急騰し、不定期船を対象にしたバルチック海運指数(BEDI:Baltic Exchange Dry Index)は2年前の約2000から現在の1万プラスに跳ね上がった。オーストラリアからの石炭輸入運賃は2、3年前にはトン当たり安い時で15-16米ドル、高い時でも20-22米ドルだった。しかし昨年は80米ドルに高騰、現在も65-70米ドルの水準にある。これは主に原油の急騰とそれに伴うバンカー油(船舶/航空燃料)の値上がりによるが、中国方面の撒積運搬船需要の増大も大きく影響している。とは言え2009年には撒積乾貨物運搬船(dry bulk carrier)の供給が顕著に拡大するものと見られる。
鉄鋼各社はインプット・コストの抑制に躍起になっており、事業の後方統合は鉄鋼会社にとって世界的趨勢と言える。自前の船舶保有は後方統合化の常道から多少外れるが、コスト抑制策の一環には違いないと言う。
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