【バンガロール】インド鉱業連盟(FIMI:Federation of Indian Mineral Industries)は、中国の輸入減退が予想されることから、今年の鉄鉱石輸出が10~15%下降する可能性があると見ている。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが6月6日伝えたところによると、FIMIのD.V. Pichamuthu理事(南部担当)は5日記者会見し、以上の見通しを明らかにした。それによると鉄鉱石輸出減退が予想される理由としては、北京五輪関連の主要インフラプロジェクトがほぼ完成したのに伴い中国当局が、鉄道運賃値上げや港湾における鉄鉱石荷役制限等、間接的な輸入規制策をとっていることが挙げられる。このため既に輸出先細りの兆候が生じている。鉄道運賃が45%上昇し、列車(rake:1レイク=貨車40両前後)の供給不足も生じているため、輸出業者は困難に直面している。加えて低品質鉄鉱石の陸揚げ価格も昨年のトン当たり180-200米ドルから130米ドルに下降した。粉鉱石(iron ore fines)の需要は既にマイナスに落ち込んでいる。ちなみにインドは2006年には鉄鉱石9000万トンを輸出した。
FIMIは鉄鉱石の輸出規制に反対している。インド国内には鉄鉱石の供給不足は存在しない。キャプティブ鉄鉱山を有する鉄鋼会社が余剰を輸出している点からも、鉄鋼会社が輸出規制を求める理由はない。インドは低品質な鉄鉱石のみを輸出しており、国内鉄鋼メーカーはこの種の鉄鉱石を使用していない。
FIMIは『鉱山・鉱物開発調整法(MMDR:Mines and Minerals Development and Regulation Act)』を早期に改正し、全国鉱物政策(National Mineral Policy)の条文を発効させ、鉄鉱産業への外資誘致を加速するよう求めていると言う。