2008-05-23 ArtNo.41022
◆Bharti/SingTel、南ア電信会社MTNの共同買収目指す
【ムンバイ】インド最大の携帯電話会社Bharti Airtel Ltd(BAL)は南アフリカの電信会社MTN Groupの買収を目指し、Singapore Telecommunications Ltd(SingTel)と共同で特殊目的会社を設ける。首尾良く買収できれば、全世界の1ダース以上の国に1億3000万人以上の契約者を有する世界6位の移動体通信会社が誕生することになる。
エコノミック・タイムズが5月20日、他社の報道を引用し報じたところによると、BAL傘下の非上場企業Bharti Telecomの子会社として新設されるSPVはブリッジ・ローンや米国預託証券(ADR)、あるいは国際預託証券(GDR)を用いて買収資金を調達する。SingTelはSPVの30%以上の株式を取得する。ちなみにBharti TelecomはBALの45%の株式を握っている。
インドの電話会社の外資持ち分は、国内法により最大74%に制限されている。このためBALは直接自社株をMTNにオファーすることができない。MTNにはSTVの株式がオファーされる。BALはまたSPVの持ち分売却を通じ資金を調達することができる。BhartiもしくはSingTelの持ち分縮小を通じても資金は調達できる。これによりBALは、国内法規違反を回避でき、インド証券取引所の上場資格も維持できる。
BALはMTNの資産価値を500億米ドル前後と評価しているものと見られる。BALスポークスマンは以上の報道に関してコメントすることを控えた。BALはこれ以前に、MTNとの交渉は初歩的なもので、まだ入札は行っていないと発表している。
一方、インディアン・エクスプレスは21日、Deutsche TelekomとロシアのVimpel CommunicationもMTN買収レースに加わる見通しで、世界21カ国に事業を展開するMTNの買収はBALにとって、決して容易ではないと報じた。
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