【ムンバイ】インド政府は、自国の核開発計画が『インド米国民生用原子力条約(Indo-US civil nuclear deal)』の成否に依存することがないよう、ウラン鉱山の探査開発に大々的に投資している。
エコノミック・タイムズが5月11日報じたところによると、原子力局(DAE:department of atomic energy)のAnil Kakodkar次長は、バーバ原子力研究センター(BARC:Bhabha Atomic Research Centre)で11日開かれた『全国技術の日(National Technology Day)』の催しに出席後、以上の消息を語った。それによると、DAEはラジャスタン州、アンドラプラデシュ州、カルナタカ州、メガラヤ州、その他の地域のウラニウム資源に注目、複数の州における最先端の技術を駆使した探査活動におよそ700クロー(US$1.72億)を投資している。
統一進歩連合(UPA:United Progressive Alliance)と左派政党の代表15人から成る原子力委員会(AEC:Atomic Energy Commission)議長も務めるKakodkar氏は『インド米国民生用原子力条約』の見通しについてコメントすることを控えた。先週会合した委員会は5月28日に次期会議を催す。同氏によると、インド政府は『インド米国民生用原子力条約』に関して第三国や国際原子力機関(IAEA:International Atomic Energy Agency)とも協議しており、懸案は技術問題ではない。しかし探査が成功し、十分なウラン資源が国内で確保できるなら、『インド米国民生用原子力条約』は決定的問題ではなくなると言う。
現在国内には4つのウラン鉱山が存在するが、何れもジャールカンド州に位置している。国内の原子力発電所の稼働率は、ウラニウムの供給不足で50%のレベルにとどまっているとされる。インドの3段階から成る核開発計画にとって目下のところウラニウムが決定的役割を担っているが、将来はトリウムが取って代わるものと見られる。トリウムはインドに豊富に存在する。
Uranium Corporation of India Ltd (UCIL)はアンドラプラデシュ州の2県にウラン採掘施設とウラン精錬施設を設けることを提案しており、またジャールカンド州におけるウラニウム処理事業に一層の投資を行う見通しだ。UCILはメガラヤ州におけるウラン鉱山の開発では反対運動に直面しているが、Kakodkar氏によると、同社は問題解決に取り組んでいると言う。