2008-03-19 ArtNo.40756
◆次官級会議、Tata-Sasol石炭液化プロジェクトを承認
【ニューデリー】関係省庁の次官級会議(IMG:inter-ministerial group)はTataグループと南アフリカのSasolが提案した80億米ドルのインド初の石炭液化プロジェクトを承認した。
インディアン・エクスプレスが3月17日、政府筋の消息として報じたところによると、計画委員会(Planning Commission)のKirit Parikhエネルギー問題担当委員を長とするIMGは、2月27日の会議で同プロジェクトを承認した。これによりReliance Industries Ltdのものを含む複数の同様のプロジェクトも承認されるものと予想される。
興味深いことに、Tata-Sasolプロジェクトは如何なる税制優遇/政府補助/石油値下がりに伴うリスク保護等の措置を政府に求めていない。
IMGの承認を得たことから、同プロジェクトは推薦状付きで石炭鉱区の割当を石炭産業省に申請できる。Tata-Sasolプロジェクトは、300万バレルの石油生産と1500MWの発電用に年間3000万トンの石炭供給を保証できる石炭鉱区の割当を求めている。
SasolはFischer Tropsch技術を用いて石炭から抽出した合成ガスを石油に転換する。こうして生産された石油から、さらにディーゼル油、ナフサ、ジェット燃料、液化石油ガス(LPG)、潤滑油等が精製される。
生産された石油は輸入原油の代替品として、250億米ドルの外貨節約に貢献する見通しだが、IMGは石炭液化の過程で大量のエネルギーが消費されることから当初承認を見送った。しかし、原油のCIF輸入価格が1バレル50米ドルまで下降しても、石炭のCIF輸入価格がトン当たり80米ドル以上なら、譬え石炭液化の過程で消費されるエネルギーを同水準の石炭の輸入で補填したにしても、経済的には依然、原油を輸入するより安上がりと言う結論に達したと言う。
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