SEAnews 2008-03-03 ArtNo.40683

【コインバトール】繊維産業は同業界が直面する未曾有の危機に比べて新年度予算案に盛り込まれた諸施策があまりに貧弱なことに失望している。
ザ・ヒンドゥーとヒンドゥー・ビジネス・ラインが3月1日報じたところによると、インド繊維産業連盟(CITI:Confederation of Indian Textile Industry)は「繊維や資本財に対する関税と消費税の引き下げ、労働集約製品の輸出に対する州税の還付制度、ターム・ローン元金返済の一次繰り延べ等は、危機に直面する繊維産業及び衣料産業の復興に役立つ」とのステートメントを発表した。
しかしCITIのP. D. Patodia会長は「技術向上基金(TUF:Technology Upgradation Fund)スキームに対する1090クロー(US$2.77億)の割当は、新規融資はさておき既存TUFS融資を実行するにも不十分」と指摘した。それによると、2007－08年時点で600クロー(US$1.52億)以上の貸付が滞っており、この他、2008－09年に1100クロー(US$2.80億)の貸付が予定されている。TUFS資金の貸し付けは1年以上遅延しており、この程度の資金の割り当てでは、一層の遅延は免れないと言う。
綿繊維輸出促進委員会(CTEPC:Cotton Textile Export Promotion Council)のPrem Malik委員長は「TUF計画／総合繊維パーク(Integrated Textile Park)計画／繊維クラスター計画は、何れも投資指向のスキームだが、繊維産業市況が低迷したままでは投資は望めない」と語った。
既製服輸出促進委員会(AEPC:Apparel Export Promotion Council)のRakesh Vaid会長は「アパレル・パーク計画の承認は無意味で、同計画には発火装置が存在しない。また雇用機会の創出も期待できない」と指摘した。同氏によると、繊維産業は農業に次ぐ雇用機会を創出しているものの、インドのアパレル輸出は80億米ドルにとどまり、中国の900億米ドルを大きく下回る。業界は輸出市場の維持に躍起になっているが、このままでは大量解雇は避けられない。ルピー高の対策も講じられておらず、昨年の繊維機械輸入は30％下降した。蔵相は外資導入を唱っているが、国内繊維産業が低迷していては、外資の流入など期待できないと言う。