【ムンバイ】機関投資家は、2月1日のデッドラインがクリアできなかったことから『空売り(Short-selling)』が認められるまでなお暫く待機を余儀なくされる見通しだ。
インディアン・エクスプレスが2月11日、政府筋の消息として報じたところによると、中央直接税局(CBDT:Central Board of Direct Taxes)は、空売りシステムを紹介する役割をインド証券取引局(SEBI:Securities and Exchange Board of India)に委ね、スキームがスタートした後にその立場を表明する姿勢だ。政府筋は「スキームが発表されていない現状では、CBDTがその立場を表明することはあり得ない」と指摘した。
空売りは、値下がりを予想した投資家が、手元に証券を保持せぬにも関わらず売り注文を出し、値下がり後に買い戻す手法。証券取引所を通じた貸借取引(SLB:securities lending and borrowing)を通じて空売りの決済をする問題に関してCBDTの判断が問われていた。既存の所得税規則では、証券取引所を通じて行われる如何なる証券の取引も証券取引税の適応を受けると規定されている。
政府筋によると市場が乱高下している現状からSEBIも同問題に関する発表を遅らせるものと見られる。SEBIは当面観望姿勢を維持、市場が安定した後、初めて新スキームを導入するものと予想される。
政府の対応を促す狙いから地元プレーヤーも貸借取引システムに関して様々な意見を提出するものと予想される。契約条件や具体的な税務処理、貸借取引が認められる株数等が、SEBIに提出される白書の主要なテーマになるものと見られる。
貸借取引は機関投資家のための空売り制度と同時に導入されるはずだったが、CBDTがその判断を示さぬことから、導入が遅延していた。
Dun & Bradstreet Information Services IndiaのManoj Vaish社長兼CEOは「主要な問題に関する白書を準備しており、2、3日中にSEBIに提出する」と語った。
SEBIは2007年12月に貸借取引制度を導入し、機関投資家の空売りを認める方針を発表した。SEBIのTC Nair常任委員は「貸借取引の成否は大口投資家の長期的な市場参加が確保されるか否かにかかっており、税務処理に関するCBDTの判断を待っている」と語っていた。SEBIの発表によれば、先物&オプション(F&O)取引の対象銘柄は貸借取引の対象になる。現在224銘柄のF&O取引が認められている。