【ムンバイ】国際協力銀行(JBIC:Japanese Bank for International Cooperation)がインドにおける水力発電事業への融資に前向きな姿勢を示したことから、火力発電への依存を軽減し、より多くの水力発電所を建設する政府の政策に弾みがつきそうだ。
インディアン・エクスプレスが2月4日報じたところによると、第10次五カ年計画(2002-07)期間には1万4393MW(メガワット)の水力発電施設を増設することが目指されたが、少なからぬプロジェクトが資金調達難に直面、期限内に完成したのは目標の2分の1に満たなかった。現在稼働中の13万5000MWの発電施設の内、水力発電は3万2000MWに過ぎない。
こうした中でインド政府は最近新水力発電政策を発表、多国間援助機関(multilateral agencies)や内外の他の金融機関からの借入に努めるとともに、水力発電領域への投資を奨励している。こうしたことからJBICの貸付拡大は、水力発電プロジェクトを加速させるものと見られる。
消息筋によれば、JBICは日本人とインド人の専門家から成るコンサルタントを指名し、インド政府が選んだ候補プロジェクト・リストを叩き台に、融資対象を絞り込む方針だ。コンサルタントは技術、社会、環境、経済的側面からプロジェクトを評価し、詳細なサイト調査も行う。2008年3月までに初歩的報告書が準備され、6月には最終報告書が提出されると言う。