SEAnews 2008-02-04 ArtNo.40554

【ニューデリー】インドの12月の輸出貿易は123億1000万米ドルと、前年同月の106億1000万米ドルに比べ、16.04％増加、前年同月の14.95％の伸びを上回った。
エコノミック・タイムズ、ビジネス・スタンダード、ヒンドゥー・ビジネス・ライン、デカン・ヘラルド、ザ・ヒンドゥーが2月1／2日、商工省商務部発表の暫定統計数字を引用し報じたところによると、ルピーの対米ドル相場が12％以上上昇し、米国景気に陰りも生じる中、ルピー建て輸出額の伸びは前年同月の12.92％から2.54％に鈍化した。
2007年12月の輸入は、原油の値上がりと非石油製品に対する旺盛な国内需要に支えられ、176億8000万米ドルと、前年同月の149億8000万米ドルに比べ18％アップした。内、非石油製品輸入は117億1000万米ドルと、前年同月の101億5000万米ドルに比べ15.34％、石油製品輸入は59億6000万米ドルと、前年同月の48億1000万米ドルに比べ23.78％、それぞれ増加した。
今会計年度当初9ヶ月(2007/4-12)の輸出は1100億5000万米ドル／44万8377.33クローと、前年同期の912億米ドル／41万6175.56クローに比べ、米ドル建てで22％の成長を見た。
年初9ヶ月の輸入は1688億7000万米ドルと、前年同期の1340億4000万米ドルに比べ26％成長した。内非石油製品輸入は1195億6000万米ドルと、前年同期の898億9000万米ドルに比べ32.99％、石油製品輸入は493億1000万米ドルと、前年同期の441億5000万米ドルに比べ11.6％、それぞれ増加した。
この結果年初9ヶ月の貿易赤字は前年同期の428億5000万米ドルから578億2000万米ドルに拡大した。
商工省オフィシャルによると、今年通年の輸出総額は1500億～1550億米ドルと見られ、米国経済の成長鈍化等もあって1600億米ドルの通年の輸出目標実現は困難になった。JPMorgan ChaseのRajeev Malik副社長兼上級エコノミストによると、ルピー高と国際景気全般の軟化から輸出成長は一層鈍化するものと予想される。それに反して依然旺盛な国内需要とルピー高で輸入の伸びは加速するものと見られる。このため経常収支の赤字は一層拡大するが、財政運営上の困難は予想されない。しかしルピー高に伴い労働集約産業が受ける打撃が政治の安定に及ぼす影響を配慮し、政府と中央銀行がルピー高抑制に回る可能性が存在すると言う。