【ニューデリー】ソフトウェア・サービス会社全国協会(NASSCOM: National Association of Software and Service Companies)は、2008年3月末までに全国の情報技術(IT)-BPO(business process outsourcing)従業者50万人を『全国技術者登記簿(NSR:National Skills Registry)』に登録することを目指して来たが、同目標の実現は難しく、しかも実際の登録数と目標の間には大差がつきそうだ。
ビジネス・スタンダードが11月27日報じたところによると、現在の登録数は16万人ほどで、今年8月時点のそれは12万5000人(60%がオンライン登録)だった。8月以降の2ヶ月間に2万5000人が追加されたわけだが、このペースからすれば、2008年3月末までに50万人の目標を達成する望みは皆無と言える。
NasscomのKiran Karnik会頭も「現状からすれば目標を達成するのは困難」と認めるとともに、「最善を尽くすだけ」と付言した。
手続きの煩雑さとコストが、こうした遅れの主因になっている。例えばPOS(points of service)を通じて採取したIT専門家の指紋はソフトウェア・アプリケーションにより一旦データベースに保存された後、NSR中央システムにアップロードされ、認証処理後登録される。登録料は1人当たり300~500ルピーだが、既存、もしくは将来の雇用主は、認証/照合のために別途1500~2000ルピーを支払わねばならない。
IT-BPO産業は直接に160万人、間接に640万人の雇用を創出している。同部門の年間輸出総額は2010年には600億米ドルに達する見通しだ。
NSRは2006年1月に導入する方針が決まった。Karnik氏は当時、「インドをセキュリティーの『Fort Knox(米国ケンタッキー州中北部に有る軍用地。1936年以来米国連邦金塊貯蔵庫が設けられている。)』にするため、Nasscomは、石ころ1つも裏返さぬものはないほど綿密に点検する。我々は品質面で達成したゴールド・スタンダードをセキュリティーの面でも実現する。NSRはそのために必要不可欠である」と語った。しかしKarnik氏は今では「我々は厳格さのためにはターゲットを犠牲にする用意がある。我々は小企業や小タウンを含むIT産業全体をカバーすることを目指している。大企業のみをターゲットにすれば数を増やすことはできるが、目的からは遠ざかる」と述べている。