SEAnews 2007-11-26 ArtNo.40327

【ハイデラバード】Aditya Birla Groupのアルミ／銅生産会社Hindalco Industries Limitedは自動車および航空機用アルミ材事業を強化する。
ビジネス・スタンダードとヒンドゥー・ビジネス・ラインが11月22日報じたところによると、Hindalcoは2007年、カナダのアルミ大手Alcan Incの子会社でアルミ圧延製品最大手のNovelisを買収した。Novelisは自動車用鋼材の代替品となる特殊アルミ合金の製造でニッチの技術をもつ。
インドの自動車メーカーが鋼材からアルミ材に乗り換えるにはまだ時間がかかるが、欧州の自動車メーカーはすでにこの技術を採用、ドイツ車『Audi』はMaruti Suzukiの『Maruti 800』よりもかなり軽量化した。特殊アルミ合金を使用する自動車は鋼材使用の自動車よりも価格が40％以上高くなるが、NovelisのD. Bhattacharya副会長は「消費量が拡大すれば価格も安くなりインドなど新興国でも使用が広がるはず」と語る。
HindalcoのD. Bhattacharya重役(MD)は「Novalisは、アルミの性状を強化し且つ柔軟性も与える融合技術をもち、BMWなどの自動車大手と提携している。われわれも下流付加価値事業で同様のことをやりたい」、「インドはまだ一人当たり消費量は極めて少ないが、世界的に第5位のアルミ消費国だ。アルミ産業は10～12％のペースで成長しており、この勢いは続くだろう」と語る。同氏によると、自動車、自動二輪、航空機、鉄道など新たな分野でアルミの使用が徐々に広がりつつあり、下流事業の成長が期待できる。
他方、Hindalcoは米Almexとの合弁会社Hindalco Almex Alloys Limitedに150クロー(US$3622万)を投資、航空機産業向けの高強度アルミ合金を開発する。Hindalcoが70％、Almexが30％出資するマハラシュトラ州Aurangabadの同合弁事業は、1年以内に操業を開始する。フル稼働時には年間4万5000トンを生産、投資額も700クロー(US$1億6901万)に達する見通しだ。
HindalcoのShashi K. Maudgal上級社長(ﾏｰｹﾃｨﾝｸﾞ担当)によると、年率15～20％で成長している航空機産業の将来性は高く、同社はBoeingやAirbusなどの航空機メーカーに部品を納入する業者と提携していく。航空機産業のほか、同社は国防研究開発機関(DRDO:Defence Research and Development Organisation)などの国内顧客も獲得したいと言う。