【ニューデリー】国内鉄鋼メーカーが設備拡張に本腰を入れる中で、鉄鋼省幹部はインドが強みとする鉄鉱石資源の保護に努め、中国に対する競争力を維持する必要性を強調した。
ビジネス・スタンダードが11月13日報じたところによると、鉄鋼省のR S Pandey次官はこのほどPTI通信に以上の考えを語った。それによると、中国の強みは豊富なコークス用炭を保持することで、同資源は向こう80年間維持できるものと見られる。これに対してインドは高品質な鉄鉱石資源を保持している。中国は厳しい規制を敷いてコークス用炭資源の保存を図っている。インド鉄鋼産業が鉄鉱石もコークス用炭も輸入に依存するような状況は回避せねばならない。
国内鉄鋼部門は2011-12年までに年間1億3800万トンの鉄鉱石を必要とする見通しで、2019-20年までに年間鉄鋼生産が1億9100万トンに達したなら約3億2000万トンの鉄鉱石が必要になる。したがって今明らかなことは、鉄鉱石の資源保護である。
インド政府は全国鉱物政策(NMP:National Mineral Policy)の立案作業を進めており、国内鉄鋼産業の要求を盛り込んだ内容にすることが目指されている。国内鉄鋼業界は、その拡張計画を成功させるために、鉄鉱石輸出を制限するよう声高に要求している。Pandey次官の発言はこうした背景の下になされたもの。
Pandey氏によると、国内及び海外の鉄鋼メーカーによるインド国内における製鋼プロジェクトの実行を確保するため関係省庁の代表により組織されたグループ(IMG:Inter-Ministerial Group)は、最近の会議で2011-12年までに合金鉄の年間生産量が1億2400万トンに達することを確認した。国内消費は約11%の目覚ましい成長を遂げており、クレジット・スイスは複合年間成長率を16%と予想した。こうした数字からも国内鉄鋼産業が上昇基調にあることが窺えると言う。