2007-11-07 ArtNo.40250
◆新興企業Environ、Shellのインド、スリランカ太陽光事業買収
【コルカタ】西ベンガル州Kolkataを拠点にする無名の新会社Environ Energy-Tech Service Ltd(EETSL)は11月1日、Royal Dutch Shellのインドとスリランカの太陽エネルギー事業を買収したと発表した。
エコノミック・タイムズ、インディアン・エクスプレス、ヒンドゥー・ビジネス・ラインが11月2日報じたところによると、EETSLはシンガポールに新設したEnviron Energy Global Pvt Ltdを通じて同買収を実行した。EETSL筋は国際事業の展開に向け近い将来、本社をコルカタからシンガポールに移す可能性も示唆した。
買収額は明らかにされていないが、今回の動向に詳しい金融業界筋は1億米ドル前後とみている。EETSLのJyoti Poddar重役によると、同社はShell Overseas Investment BVからShell Solar IndiaとShell Solar Lankaの全権益を取得したが、Shellと秘密保持契約を交わしているため、それ以上の詳細は明らかにできないと言う。
Shell Solar IndiaとShell Solar Lankaの売上高は合計1811万米ドル(75クロー)と、Shellの総収益3190億米ドルに占める比率は小さい。EETSLによると、英、独、米の再生可能エネルギー大手との競争に勝ち、契約にこぎ着けた。買収資金は欧州の銀行2行からの借入れと内部資金で賄う。
EETSLは3年半前に資本金10クロー(US$241万)で創設されたばかりだが、将来の収入で借入金の返済は可能としている。Poddar氏によると、太陽エネルギー市場の将来性は非常に大きい。インドは年間5000mwの太陽光発電が可能で、1000mw当たり1万クロー(US$24億1446万)のビジネスが望める。
EETSLは光電池パネルをベースにした太陽光発電ソリューションの世界的企業になることを目指している。EETSLの昨年度売上高は35クロー(US$845万)だが、今回の買収で75クローが上乗せされ、売上高は110クロー(US$2656万)になる。
インドとスリランカのShell事業所のエンジニア440人の雇用を引き継ぐため、従業員数はこれまでの100人から5倍に増える。
Shell Solar Indiaの買収で国内の再生可能エネルギー市場におけるEETSLの地位は強化され、ベトナム、インドネシア、フィリピン、アフリカ、欧州への事業拡大にもつながる。
EETSLの2008年3月期年商は150クロー(US$3622万)に達する見通しだ。アジアと欧州の太陽エネルギー企業をさらに2社買収することも検討している。また西ベンガル州にも製造施設を設ける計画と言う。
一方、Shellは太陽エネルギー事業から撤退しつつあるようだ。同社は米国、ドイツ、南アフリカ、シンガポールの事業所もドイツ企業SolarWorld AGに売却、傘下の太陽エネルギー事業はフィリピン、中国、インドネシアを余すのみになった。
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