SEAnews 1995-11-21 ArtNo.3998

【シンガポール】シンガポールにおける営業コストが日増しに高まる中で、米国ネットワーク製品メーカーのアダプテックは過去5年間に営業コストを2分の1に削減した。
アダプテックはコンピューターと周辺機器の間のデータ・フローを制御するＩ／Ｏ製品を当地で製造している。ＫＹリム副社長によると、カリフォルニア州ミルピタス拠点の同社にとって唯一の製造拠点の当地ブキ・メラ工場は組立／検査／包装等のほとんど全ての製造工程を社内で処理することにより、コスト削減を実現した。同工場ではソフトウェアーの複製やマニュアルの印刷も行っている。これにより各種の注文に柔軟に対応でき、在庫量も最低限にとどめられる。同社は顧客の仕様に基づく僅か20ユニットの生産も引き受けている。また地元労働者やエンジニアとミルピタス本社のエンジニアの共同作業は、工場の製造工程にフィットした製品の設計を可能にし、このこともコスト削減に寄与している。プリント基板(PCB)や集積回路(IC)の設計はシンガポールと米国のエンジニアにより手掛けられ、ウエハーやチップの組立作業は下請け業者に発注される。完成したチップは社内で検査された後、ＰＣＢに組み込まれるか、ディスク・ドライブ・メーカーに納入される。累積投資額2400万米ドルのシンガポール工場は、ＰＣＢアセンブリー用半導体実装ライン6本を有し、月間製造能力は40万ボード。目下5本の生産ラインがフル稼働しており、6本目の稼働率も96年末までには100％に達する見通しだ。インターネットやマルチメディアの普及に伴い同社製品に対する需要が急増、同社は過去11年間利益を計上し続けている。営業額は年率20－30％成長、過去14四半期の営業利益率は20％以上に達している。また経済開発局(EDB)の認可を得たパイオニア・ステータスもなお6年有効と言う。(BT:11/20)