【ニューデリー】インド経済は、製造業/建設業/サービス業の堅調と農業部門の復調に支えられ、今年第1四半期(2007/4-6)に9.3%の成長を遂げた。
エコノミック・タイムズ、デカン・ヘラルド、ザ・ヒンドゥー、ビジネス・スタンダード、ヒンドゥー・ビジネス・ラインが9月1日伝えたところによると、金融引き締め措置がとられたこともあって、今年第1四半期の国内総生産(GDP)成長率は昨年同期の9.6%には及ばなかったが、比較の対象にされた昨年第1四半期の数字が既に高水準だったことを考えれば、9%を超える伸びは特筆に値する。加えて8月18日までの1週間の卸売物価をベースにしたインフレ率は4%を割り込み過去15ヶ月来最低の3.94%に鎮静した。また第1四半期の純新規投資(Net new investment)はGDPの29.6%と、昨年同期の27.9%を1.7%ポイント上回り、金融引き締めにもかかわらず業界の旺盛な投資意欲を窺わせた。
中央統計局(CSO:Central Statistical Organisation)の以上の発表を受けてP Chidambaram蔵相は今年通年のGDP成長率を9%と予想した。ちなみに中央銀行Reserve Bank of Indiaは今年通年のGDP成長率を8.5~9%と予想している。一部のアナリストも農業の成長率が4%に近い水準を維持できれば通年で9%以上の成長が見込めるとしている。しかし別のアナリストはGDPの伸びは例年後半に減速するため、通年では約8%にとどまると予想した。
CSOの暫定統計数字によれば、今年第1四半期の要素費用(factor cost:生産者が受け取る価格=消費者の支払う市場価格-間接税=GNP-間接税)から見たGDPは、実質価格(constant:1999-2000年価格)で前年の66万1335クローから72万3132クローに9.3%アップした。製造業は11.9%(12.3%)、建設業は10.7%(10.5%)、農業は3.8%(2.8%)、商業/ホテル/運輸/通信は12%(12.4%)、金融・保険・不動産・ビジネス・サービスは11%(10.8%)、電気・ガス・水供給は8.3%(5.8%)、共同体・社会・個人サービスは7.6%(11.3%)、鉱山・採石業は3.2%(3.7%)の伸びを見た(括弧内は昨年同期の伸び率)。