2007-08-20 ArtNo.39900
◆アルミ会社Hindalco、自動車市場開拓目指す
【ムンバイ】インド最大のアルミニウム会社Hindalco Industries Ltd(HIL)は、目下鉄鋼メーカーにより独占されている自動車材料市場に進出することを計画している。
エコノミック・タイムズが8月15日報じたところによると、銅の精錬や鉱山経営も手掛けるAditya Birlaグループの旗艦HILは、Novelis買収後の組織統合計画の一環として、基本ホワイトボディ工程(body-in-white)、取り分けアウターボディとサイドパネル用の高品質なアルミニウム製品の製造に乗り出す。HILは、今年5月にNovelisを60億米ドルで買収、世界のトップ5アルミニウム会社になった。Novelisは欧州の乗用車市場における3%シェアを握っている。HILオフィシャルによると、自動車メーカー各社が小型乗用車新モデルの発売を計画している今、インドでも同レベルのシェアを占めることを目指す。ラジエターやその他のパーツにホワイトメタルが使用されているものの、インド乗用車産業のホワイトボディ工程におけるアルミニウムの使用は皆無に等しい。
Tata Steel等の地元鉄鋼メーカーは、ArcelorMittalや新日鐵等の外国大手鉄鋼メーカーと、カー・ボディー用高品質スチール製品を製造する技術協定を結んでいる。AudiやJaguar等、オール・アルミニウム製カーも出現するようになったが、カー・ボディー製造に用いられる金属中スチールが60%前後のシェアを占めている。しかし車体を軽量化し、燃料消費を抑制する狙いから乗用車の製造工程におけるアルミニウムの使用を拡大する潮流が生じており、全世界のアルミニウム企業が手を携えて、この方面の研究に取り組んでいる。
飲料用カンの需要が急増する中でHILはカン材料としてのアルミニウムの国内製造を計画しており、自動車材料市場への進出計画は、これに続くもの。昨年インドでは2億8000万のカンが使用され、年率25~30%の成長を遂げている。カン材料市場規模は3000トンと見積もられるが、アルミ製カン材料はインドではまだ製造されていない。
HILのDebu Bhattacharya重役(MD)は、「HILは概してローエンド製品を手掛けているのに対して、Novelisはハイエンド製品を手掛けている」とし、「HILとNovelisの間に事業の重複は存在しない」と指摘した。
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