2007-08-08 ArtNo.39852
◆バイク・メーカー、10万ルピー・カー登場に備え戦略転換
【ニューデリー】Ratan Tata氏の10万ルピー・カー計画はRenault等の多国籍四輪車大手の市場戦略に影響を与えたのみならず、主要二輪車メーカーにも戦略の転換を強いている。J D Power Asia PacificのMohit Aroraインド担当取締役は「二輪車業界が最初の犠牲になり、パフォーマンス・バイク(150cc以上)は耐えられるが、コンシュマー・セグメント・バイク(100-120cc)はスモールカーに取って代わられるだろう」と指摘した。
エコノミック・タイムズが8月6日伝えたところによると、トップ・バイク・メーカーは相次いで乗用車市場進出計画を明らかにしており、他のプレーヤーは、影響が比較的小さいと見られるパフォーマンス・バイク・セグメントに力を集中している。
Suzuki Motorcycles India Pvt Ltd(SMI)のAtul Gupta副社長は「低コスト・カーはエントリー・レベルの二輪車に影響を与えるものと見られる」とし、他社とは異なる150~200ccのパフォーマンス・バイクをアグレッシブに市場に投入する計画を明らかにした。また自動変速スクーター市場も安定した成長を遂げていることから、SMIは同セグメントの新モデルも数多く準備していると言う。
Yamaha Motorcycles India Ltd(YMIL)の幹部も「タタや他のプレーヤーのミニ・カー計画はコミューター・バイク・セグメントに打撃を与えるものと見られる」とし、対策を講じていることを明らかにした。それによると同社もやはりパフォーマンス・セグメントに重心をシフトし、影響を最小限に抑える一方、ハイパワー・バイクにも照準を合わせる計画と言う。
初めて自動車の購入を考える少なからぬ消費者が二輪車ではなく、直接四輪車を購入する傾向が既に生じており、中古乗用車購入者の30%が初めての自動車購入者で、この他40%が二輪車からのアップグレードで占められている。目下、中古車の年間販売台数は10万台前後だが、需要が供給を大幅に上回っている。
モーターサイクル市場は過去6ヶ月マイナス成長に陥っており、今会計年度第1四半期の二輪車国内販売は昨年同期比15%減の137万8000台にとどまった。こうした中でHero groupとBajaj Autoは四輪車市場進出計画を明らかにしており、TVS Motorsは三輪車の製造に乗り出している。
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