1995-11-20 ArtNo.3981
◆<星>モトローラもウエハー工場建設準備
【シンガポール】米国電子企業モトローラ・インクは同社がアジア太平洋地域に建設を計画する2つのウエハー工場(ファブ)の1つをシンガポールに設ける可能性を検討している。
テランス・ヘン副社長によると、モトローラは中国天津に第1のファブを設ける計画で、中国側と最終段階の協議を進めている。同プロジェクトでは7億米ドルを投じて自動化システム、通信機器、パーソナル・コンピューター用のウエハー製造が計画されている。第2ファブでは同社製パワーPCやマイクロコントローラー用の高付加価値ウエハーが製造される。シンガポール政府はリスク・シェアリング・パートナーシップの下にシンガポールにファブを建設するよう提案している。同社はシンガポールの他、香港、オーストラリア、台湾を候補地として検討しているが、鍵は技術スタッフとウエハーの確保。候補地の選定は来年半ばまでになされるが、シンガポールが選ばれる可能性は大きい。新ファブのコストは少なくとも7億米ドルで、もし実現すれば、モトローラのシンガポールへの累積投資は2倍以上に拡大する。ヘン氏は、更に価格さえ妥当なら、どんなことでも可能と付言した。
ファブ・パークの開発を手掛けるジュロン・タウン公社(JTC)幹部によると、シンガポールはファブ誘致のため税や土地価格の面で特別な配慮を行うとしている。
一方、シンガポール政府の技術開発計画に助言する会議に出席するためヘン氏とともにシンガポールを訪れたシーメンスのJurgen Knorr氏は「誰もがファブ投資を計画しているが、過剰供給状況を生じさせないか、十分注意する必要がある。またより多くのチップを生産できるより大きなウエハーの製造等、新製品の製造も考えて見る必要がある」と指摘、また松下の村瀬副社長は「シンガポールへの工場進出にコスト面でメリットが有るか否かを云々するのは困難」と語った。(ST,BT,LZ:11/18)
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