【ムンバイ】野村證券は企業買収を通じ早急に世界で最も魅力的な市場に変貌しつつあるインドへの再進出を図る。
ビジネス・スタンダードが7月4日報じたところによると、野村證券の戸田博史執行役兼取締役は、インド産業連盟(CII:Confederation of Indian Industry)と日本貿易振興会(JETRO)が3日共催したセミナーの会場で以上の消息を語った。
当地金融界には最近、野村がEnam Financial Consultants Pvt.Ltd(EFC)投資銀行部門の買収を図っているとの噂が流れた。消息筋によると、両社は価格問題を協議しているもようだ。しかし戸田氏はこうした噂にコメントすることを控えた。同氏によると野村は企業買収を通じインドにおける証券仲買ライセンスを取得することを望んでおり、ゆくゆくは資産管理も手掛ける計画だ。「企業買収にどれほどの額を投じる考えか」との質問に対して、戸田氏は「as little as possible」と答えた。
戸田氏によると、日本企業の多くはインド証券市場に投資し、ポートフォリオを拡大するとともに、インド経済の急成長に便乗することを目指している。日本経済は年間僅か1%成長しているにすぎない。このため多くのものが海外の投資機会を物色している。
最近、三井物産のSesa Goa持ち分売却を仲介した野村は、同様な企業買収仲介の機会を探っている。少なからぬインド企業が日本企業の買収に関心を寄せており、野村はこの種の多くのプレヤーと商談を進めていると言う。
野村證券はこれ以前にインド市場に進出したものの、90年代半ばに撤退した経緯がある。