SEAnews 2007-06-27 ArtNo.39670

【バンガロール】北米、台湾、日本を初めとする世界の指導的電子製造サービス(EMS:electronics manufacturing services)会社が地元企業との提携や買収を通じ急成長するインド市場進出を図っている。
エコノミック・タイムズが6月25日伝えたところによると、電子部品産業協会／インド電子産業協会(ELCINA Electronics Industries Association of India)のRajoo Goyal事務局長は「新たな企業がインド進出を図っており、一部の小規模な地元プレーヤーは買収されるものと見られる。EMSは激しい競争市場で、この種の買収は双方に恩恵を及ぼす」と指摘した。
インド半導体協会(ISA:Indian Semiconductor Association)のPoornima Shenoy会頭は「台湾や日本の大手企業はインドのEMS企業と提携やその他の関係を結ぶことに関心を寄せている」と語る。同女史によると、地元の小規模企業にとってこの種の提携はメリットがある。何故なら最新の潮流や良好なロジスティクス・インフラ、さらには世界市場にアクセスでき、外国パートナーはまた資金や規模の経済性をもたらすと言う。
調査会社In-Staによると、インドの電子産業は2004年の115億米ドルから2010年には400億米ドルに成長する見通しだ。別の調査会社iSuppliによると、インドにおけるEMSとODM(original design manufacturers)の年間売上げは2004年の7億7400万米ドルから2009年の20億3000万米ドルに成長するものと予想される。
過去2、3年間にインドのEMS市場においても複数の企業買収が目にされた。グローバル・メジャー、Jabil Circuitは2005年にPhilipsのインドにおける製造サービス部門を買い取った。Celesticaは2005年にアンドラプラデシュ州Hyderabad拠点のRamnish Electronicsを買収し、インド進出を果たした。世界的には最近FlextronicsがSolectronを買収したが、これら両社はともにインドに少なからぬプレゼンスを築いている。
ELCINA-EIAIのGoyal事務局長によると、3～5年内にさらに複数のアナウンスがあるものと見られる。世界のトップ20EMS企業の内、これまでにインドに進出を果たしたものはFlextronics、Jabil、Celistica、Foxconn等、8～10社にとどまっている。消息筋によると、別に2、3社が12ヶ月以内にインドにおける営業を開始するものと見られる。
地元の主要EMS企業にはBEL、TVS Electronics(TVS-E)、WeP Peripherals、D-Linkを挙げることができる。これらの企業はCisco／Dell／General Electric／Hewlett-Packard／Lucent／Nortel／Philips／Sony／Sun Microsystems等のために受託製造サービスを提供している。
この他に中小のEMS企業200社ほどがカルナタカ州Bangaloreやタミールナド州Chennaiを中心に存在するが、外国企業の買収のターゲットになるのは数社のみと見られる。
観測筋によると、海外企業のインドEMSに対する関心は、グローバル輸出ハブとしてのインドの潜在性に注目したためと言うよりも、インド国内のい電子産業、取り分け消費者用電子製品市場のブームに注目したためと言う。