【ニューデリー】製造業の好調に支えられ2007年3月の工業生産指数(IIP:Index of Industrial Production)の伸びは12.9%と前年同月の8.9%に比べ顕著に加速した。この結果2006-07年通年のIIP成長率も11.3%をマーク、前年の8.2%を上回った。
ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ビジネス・スタンダード、インディアン・エクスプレスが5月11/12日、中央統計局(Central Statistical Organisation)の発表を引用し報じたところによると、3月のIIPの成長を部門別に見ると製造業14.1%(10.1%)、鉱業6.2%(2%)、電力7.9%(3.4%)と、何れも前年同期の伸び(括弧内の数字、以下同様)を上回った。IIP成長率は2006年11月以来、今年2月まで鈍化傾向を辿っていた。
用途に基づく分類(use-based classification)によれば、3月には資本財部門が13.2%、消費財部門が14.2%の伸びを見たが、耐久消費財部門は2.7%(21%)にとどまった。耐久消費財部門の通年の伸びは9%だった。
3月には全国産業分類(national industrial classification)主要17業種中14業種がプラス成長を遂げた。中でも木材/木製品/家具/備品が113.9%の最高の伸びを実現、以下金属製品/同部品47.5%、食品23.7%と続く。
2006-07年通年の部門別成長率は、製造業12.3%(9.1%)、鉱業5.1%(1%)、電力7.2%(5.2%)と、やはり各部門とも前年実績を上回った。通年のIIP成長率が二桁をマークしたのは1995-96年の13%以来のこと。
2006-07年には全国産業分類主要17業種中10業種が二桁成長を記録した。これらの業種とは木材/木製品29.1%、基礎金属/合金22.8%、輸送機器/部品14.9%、綿繊維14.8%、運輸機器を除く機械14%、非金属鉱物製品12.8%、ゴム/プラスチック/石油・石炭製品12.7%、金属製品/部品11.4%、飲料/食品/タバコ/関連製品11.3%。しかしジュート/綿を除くその他の植物繊維は-17.2%、皮革・毛皮は0.3%と、振るわなかった。
インド国際経済関係調査委員会(ICRIER:Indian Council for Research on International Economic Relations)のRajiv Kumar理事兼CEOによると、中央銀行の金融引き締め政策の下、IIP成長率は今後より緩やかなペースになる見通しだが、業界は好況の中でも技術革新とインフラ整備の努力を怠るべきではない。IIPのこうした伸びは、見直し後の2006-07年国内総生産(GDP)成長目標9.2%の実現に寄与する見通しと言う。