2007-04-11 ArtNo.39304
◆一次鉄鋼メーカーはその実既に値上げ:冷延メーカー
【ニューデリー】熱間圧延(HR)鋼メーカーは、4月は値上げを行わないと表明したが、HR鋼の主要消費者、冷間圧延(CR)鋼メーカーは、既に前者から公式に値上げ通告されたと、不満を表明している。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが4月6日伝えたところによると、インド商工会議所協会(Assocham:Associated Chambers of Commerce and Industry of India)上級副会頭も務めるJSW Steel Ltd(JSL)のSajjan Jindal副会長兼MDに率いられる一次鉄鋼メーカーは、この日P. Chidambaram蔵相と会見、インフレ抑制に取り組む政府に同調し、インプット・コスト上昇に関わらず、1ヶ月間値上げを見合わせると約束した。同会見後記者会見したJindal氏は「インフレに対する懸念を蔵相だけに委ねることはできない。卸売物価をベースにしたインフレに占める鉄鋼製品価格の比重は大きい。我々は政府に呼応してインフレに立ち向かわねばならない」と述べる一方、「今月は値上げを見合わせるが、来月再度見直しを行う」と付言した。
しかしSteel Authority of India Ltd(SAIL)オフィシャルは「値上げはしないが、割引(rebate)を既に40~50%カットしたため、バイヤーはコストの純増を直ちに負担せねばならない」と指摘した。同筋によれば、リベートの40~50%のカットは、実質的にトン当たり400~500ルピーの値上げに相当する。加えて混雑シーズンを迎え鉄道運賃が10%引き上げられており、トン当たり200~250ルピーのコスト増を意味する。したがって、これらを合計すると、トン当たり価格は600~700ルピー・アップすると言う。
冷間圧延鋼製造業者協会(CRSMA:Cold Rolled Steel Manufacturers Association)のS C Mathur常務理事(ED)は、「鉄鋼一次メーカーは政府最高レベルの要請にも関わらず値上げを行った。インドの鉄鋼メーカーは世界的に最も低コストな生産者として知られ、トン当たり生産コストは350~400米ドルだが、国内ではトン当たり630~640米ドルで販売、また同550~570米ドルで輸出している」と指摘した。同氏によると、例えばIspat Industries Ltd(IIL)は公式にトン当たり1400ルピーの値上げを通知しており、米ドル建てで、これまでのトン当たり640米ドルから690米ドルへの引き上げを意味すると言う。
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