【ニューデリー】ニッケルのトン当たり国際価格が2006年1月の2万6000米ドルから現在の4万9000米ドルに急騰する中、2万5500クロー(US$58.38億)のインド・ステンレス鋼業界も、製品価格を7%ほど上方修正するものと予想されている。
インディアン・エクスプレスが4月7日伝えたところによると、インドではステンレス鋼の約70%は家庭用品に、30%は石油化学・医療・食品加工・製薬業界向け設備機器、建材等、その他の用途に用いられている。
インド・ステンレス・スチール開発協会(ISSDA:Indian Stainless Steel Development Association)のN C Mathur会頭によると、家庭用品用ステンレス鋼のニッケル含有率は1~4%で、産業用ステンレス鋼のそれは約8%だが、譬え1%の含有率でもステンレス鋼のトン当たり価格に占めるニッケルのコストは現在の市価を基準にすると400米ドルに達する。ステンレス鋼製造コストの60%以上を占めるニッケルの値上がりは同業界に深刻な影響を及ぼす。
民間企業Jindal Stainless Ltd(JSL)がインド最大のステンレス鋼メーカーで、国営Steel Authority of India Ltd(SAIL)がこれに次ぐ。後者は主にタミールナド州Salemの特殊鋼製造プラントでステンレス鋼を製造している。この他、Shah Alloys/Sunflag Iron and Steel Ltd等がステンレス鋼を製造している。
インドはロシア、カナダ、オーストラリア等から年間約3万6000トンのニッケルを輸入、年間1700万トンのステンレス鋼を製造、内120万トンを国内で使用、残りを輸出している。
アナリストによると、ニッケルの高騰は、ステンレス鋼の需要急増に伴うもので、ニッケルの需給ギャップは当面さらに拡大するものと見られる。ニッケルの需要拡大速度は2010年まで供給拡大速度を上回るものと見られる。
こうした中でステンレス鋼業界は大蔵省にニッケル輸入税を現在の5%からゼロ%に引き下げるよう求めた。中国は既に2%から1%に引き下げており、日本や韓国は輸入税を課していない。