SEAnews 2007-04-02 ArtNo.39272

【ニューデリー】米シリコンバレーのインド系ベンチャーキャピタリストらが新たに創設した半導体会社Hindustan Semiconductor Manufacturing Corporation (HSMC)はインド政府が3月22日に半導体政策(semiconductor policy)を告知したわずか1週間後、40億米ドルを投じて半導体工場を設置する計画を発表した。
ヒンドゥー・ビジネス・ライン、インディアン・エクスプレス、エコノミック・タイムズ、デカン・ヘラルド、ザ・ヒンドゥー、ビジネス・スタンダードが3月29日報じたところによると、HSMCのこの投資計画の発表は半導体政策の詳細が公表されて以降初のもので、同社は世界第4位の半導体企業である独Infineon Technologiesから130nmプロセス技術の供与を受け、携帯電話、SIMカード、スマートカードなどに使用する集積回路(IC)をインドで製造する。
HSMCは半導体工場10ユニットからなるFabcityの開発を計画しており、まず自社の2工場を建設する。同社のDevendra Verma会長は「Fabcityへの他社の進出も歓迎する」としている。同社は8インチウェハーを使用する工場に10億米ドル、12インチウェハーを使用する工場に32億～35億米ドルを投じ、2年内の稼動を目指す。
HSMCは情報技術(IT)／制御／電力領域についてはSiemens、ガス供給についてはAir Liquideと提携、Fabcityの設計・開発についてはFairwoodの支援を受ける。Verma会長によると、Fabcityの建設地は未定で、各州政府と話し合いを行っていくと言う。
Dayanidhi Maran情報技術通信相は「各投資提案は評価委員会(Appraisal Committee)が吟味する。単に規模の大きさだけでなく、事業計画と財務状況に基づいて最良の3件を選ぶ」としている。
Verma会長は「インドの国内総生産(GDP)成長率は9％前後と予想されているが、半導体製造業の発展により10～11％に加速するだろう」と語る。半導体政策による優遇措置はいくつかの選択肢を企業に与えているが、同会長はどの優遇措置に関心があるかについてコメントを控えた。同会長によると、HSMCは必要な資金を調達するため、目下、多数の投資家と集中的な交渉を進めているという。
InfineonのWolfgang Ziebert社長兼CEOは「わが社は超低価格の携帯電話機を製造する技術をもっている。この種の電話機の主要市場のインドにわれわれの技術は役に立つはず」としている。