2007-03-30 ArtNo.39263
◆政府のアヘン独占に終止符?、加工免許求め長蛇の列
【ニューデリー】政府の10年に及ぶ独占経営に終止符を打つ序曲になると見られる大蔵省募集のアヘン加工ライセンス入札にRanbaxy/Dr Reddy's/Cipla/Nicholas Piramal等の地場製薬大手が長蛇の列を成している。
エコノミック・タイムズが3月27日伝えたところによると、アヘンは咳止めや鎮痛効果を有するコデイン燐酸塩(codeine phosphate)、麻酔薬モルヒネ、非麻酔性咳止めノスカピン(noscapine)等の製造に用いられ、高い輸出収益が見込める。
大蔵省は数ヶ月前にアヘン加工を民間に開放する意向を表明、アヘン(opium)の派生品アヘン剤(opiates)を年間合計100トン製造できる2つの施設を設けるプロジェクトに対する入札意向書(EOI:expressions of interest)の提出を求めた。これは国内アヘン加工キャパシティーの拡大を目指すもの。これまではマドヤプラデシュ州Neemuchとウッタルプラデシュ州Ghazipurに設けられた政府機関がこの種の業務を手掛けて来た。
インドは国内で必要とされるコデイン燐酸塩の半ばを輸入に依存しているが、このことが鎮痛剤や咳止め薬の生産コスト上昇を生じさせている。
大蔵省筋によると、大部分の申請者はライセンス発行条件を満たしているものと見られるため、ライセンス料ベースの競争入札により、2社を選考する計画だ。
既存の政府機関は時代後れの設備を用いているため、欧州方面におけるアルカロイドの需要が高いにも関わらず国内で生産されるアヘンの4分の1のみをアルカロイドに加工、残りは未加工のまま輸出している。
国内や国外で需要の大きいコデイン燐酸塩の他、ラインセンス取得者は、テバイン(thebaine)、ノスカピン、ナルコチン(narcotine)、コタルニン(cotarnine)、ディオニン(dionine)、モルヒネ硫酸塩(morphine sulphate)等、その他のアルカロイドを製造することも認められる。芥子の皮嚢から抽出した乳液状の生アヘンには2ダース以上のアルカロイドが含まれるが、悪用をさけるため、アヘン剤の生産は国際条約により規制されている。
インドは年間600クロー(US$1.35億)のアヘン剤を輸出しているが、同額は今後数倍に拡大する見通しと言う。
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