SEAnews 2007-03-30 ArtNo.39262

【ニューデリー】Reliance Industries Ltd(RIL)はグジャラート州Jamnagarを石油／石化製品の輸出基地にする狙いから年間原油処理能力3300万トンの既存製油所の輸出志向ユニット(EOU:Export-Oriented Unit)ステータスを認めるよう商工省に求めている。
ヒンドゥー・ビジネス・ライン、ビジネス・スタンダード、インディアン・エクスプレスは3月22日、政府筋の言として以上の消息を伝えた。それによると当該製油所は1999年7月以来稼働している。EOUステータスが認められれば、原油に対する5％の輸入税が免除される。
RILの子会社Reliance Petroleum Ltd(RPL)は同製油所の隣接地に2009年の稼働を目指して年間処理能力2900万トンの新製油所を建設しており、こちらは既にEOUステータスを認められている。
既存製油所も当初は法人所得税の免除、販売税の繰り延べ、消費税の優待等を認められていたが、これらの奨励措置は既に全て失効している。今回改めてEOUステータスを申請した理由には、同製油所で生産されたガソリンやディーゼルは、国内では政府補助を受けた国営製油所の製品に対して競争力がなく、輸出する他ないことが挙げられる。
Indian Oil／Hindustan Petroleum／Bharat Petroleum等の国営製油所は、その製品価格をコスト以下に設定している。これは政府が石油債の発行を認め、また国営石油・ガス探査会社Oil and Natural Gas Corporation(ONGC)等がディスカウント価格で原油を供給しているため。これに対してRILやEssar Oil、Shell等の民間製油所は、その種の補助を認められていない。
業界筋によると、RILは既存製油所と新製油所を合体し、Jamnagarを石油製品の輸出ハブにすることを目指している。RILはJamnagar製油所で生産した製品を傘下の1367店のガソリンスタンドに、また液化石油ガス(LPG)を公共企業(PSU:public sector undertakings)に、それぞれ供給しているが、EOUステータスを認められれば、LPGの輸入平衡価格(import parity price)を実現できる。また石油化学製品原料のナフサの生産コストを引き下げ、同社が合弁を計画している北米Nova Chemicalsに供給する道も開ける。
RILは2005－06年に1084トンの石油製品を輸出、55億米ドルの輸出収入を稼ぎ、インド最大の輸出業者になっている。