1995-11-15 ArtNo.3922
◆<星>第3四半期のGDP成長率9%:通産省レポート
【シンガポール】シンガポール経済は電子部門の好調と域内経済の堅調に支えられ、今年第3四半期にも9%の成長を実現した。
通産省が13日発表した第3四半期経済レポートによれば、同期には製造業が最高の成長率を実現した他、運輸、通信、商業部門も好調だった。しかし金融部門は成長鈍化、建設部門も精彩を欠いた。
GDPの30%を占める製造業は同期に12%の成長を記録、中でも電子部門は19%の目覚ましい伸びを見た。通産省はウィンドウズ95の発表でパーソナル・コンピューター及び周辺機器の需要が急増したことが主因と分析している。しかしながら石油精製部門は製造業の中で唯一3.9%のマイナス成長を記録した。
情報技術(IT)サービス需要の拡大とビジネス・ハブとしてのシンガポールの持続的発展に支えられ、専門サービスは8.3%に成長の足を速めた。しかし証券市場の不振で金融部門の成長は6.8%に鈍化、この結果、GDPの26%を占める金融/専門サービスの成長率は7.5%に減速した。
商業は小売販売の予想外に良好な4.8%の伸びや中継貿易の好調に支えられ、9.2%の成長を記録した。小売販売の成長は主に家具/家庭用品の売上増に牽引された。
建設業は成長率が3.1%にとどまっただけでなく、生産性の伸びもマイナス成長を記録した。国内経済全体の生産性成長率は3.7%と、政府目標の3~4%の上限に近い値となった。建設業を除くと同期の生産性の伸びは5.1%に達する。
通産省は今年通年のGDP成長見通しを8~8.5%に上方修正した。同数値は1993年と94年の各10.1%の成長率には及ばないものの、通産省がこれ以前に予想した7~8%を上回っている。通産省はこうした成長基調は今後2~3四半期にわたり持続、来年の成長率も7%を超えると予想している。通産省はこれまで96年のGDP成長率を7~8%と予測していた。(ST,BT,LZ:11/14)
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