2007-03-12 ArtNo.39193
◆バンガロール、世界のチップ・デザイン・センターに
【バンガロール】超大規模集積回路(VLSI)エンジニアの数からすれば、バンガロールはシリコン・バリーに次ぎ、世界の他の地域をリードしており、トップの座を占めるのもそう遠くないものと見られる。
ビジネス・スタンダードが3月9日伝えたところによると、アップル・コンピュータが、ワイヤレス・ヘッドセットに対応した携帯ミュージック・プレーヤーiPodの製造を計画した時、同社は全世界のチップ・デザイン会社を物色した末、カルナタカ州Bangaloreを拠点にするほとんど名の知れぬImpulsesoftに白羽の矢を立てた。今日、Impulsesoftは、世界の消費者用電子大手が市場に投入するワイヤレス・メディアの大部分に関与、急成長するチップ・デザイン業界の代表と見なされている。
チップ・デザインはソフトウェア・バリュー・チェーンのトップ・エンドに位置づけられる。インドにはこの種のデザイン会社が約130社存在するが、内70社がバンガロールを拠点にしている。バンガロールはこの方面でインド国内をリードしているだけでなく、米国のシリコンバリー、英国のケンブリッジ、台湾に匹敵するグローバル・チップ・デザイン・クラスターに数えられる。
超大規模集積回路(VLSI)エンジニアの数からすれば、バンガロールはシリコン・バリーに次ぎ、世界の他の地域をリード、トップの座を占めるのもそう遠くないものと見られる。バンガロールはVLSIエンジニア1万5000人を擁するが、シリコン・バリーには合計約2万人のVLSIエンジニアを抱えるチップ・デザイン・サービス会社55社が存在する。米国における同業界の歴史は20年に及ぶが、バンガロールは同事業に進出して10年に満たない。一方、ケンブリッジではチップ・デザイン会社12社が約2000人のVLSIエンジニアを雇用、台湾にはチップ・デザイン会社3社が存在する。
チップ・デザインをデザイン・サービスとプロプライアタリー・デザインもしくはイノベイティブ・デザインに分けるなら、バンガロールはチップ・デザイン・サービスの面でシリンコン・バリー、ケンブリッジ、台湾をしのぎ世界のトップに立っている。
後者に関してはシリコン・バリーとケンブリッジが明らかに他をリードしているが、この種のグローバル・ランキングも急速に変化している。バンガロールに拠点を有するチップ・デザイン会社70社中30社はIntel/Texas Instruments/NXP Semiconductors(Philipsから分離)等の多国籍企業のキャプティブ・オフショア・デザイン・オフィスである。そして益々多くのイノベイティブ・デザイン会社がバンガロールにオフィスを設けるようになっている。海外在住インド人が創設したイノベイティブ・デザイン会社の多くも開発業務の大部分をバンガロールで手掛けていると言う。
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