SEAnews 2007-03-12 ArtNo.39190

【ニューデリー】Bajaj Auto Ltd(BAL)は3月10日よりモーターサイクル100ｃｃモデルPlatinaの価格を9％、約3000ルピー引き下げたが、市場観測筋は凄惨な値下げ競争の序曲と見ている。
インディアン・エクスプレスが3月8日伝えたところによると、これによりPlatinaの価格はHero Honda Motors Ltd(HHML)のCD Dawnの価格を下回った。2007年半ばに100ｃｃセグメントから撤収する予定のBALはそれに先だって、100ｃｃセメントのリーダー、HHMLのマージンに打撃を与えることを目指し、今回の値下げを行ったものとアナリストらは見ている。アナリストは、HHMLのマージンは2007年3月期四半期に創業以来初めて一桁台に下降するものと予想しているが、HHMLがBALの挑戦に応じ値下げを行えば、マージンは一層縮小する見通しだ。
BALのS Sridhar副社長(ﾏｰｹｯﾃｨﾝｸﾞ&ｾｰﾙｽ)は、ディーラーに宛てた電子メールの中で「Platinaは3－5月の売上げの大幅な成長をもたらす見通しで、ポスト・ホーリー(Holi:ヒンドゥーの春節)の結婚シーズンに向け我々は万全の態勢を整えた」と述べている。
値下げ後Platinaのウッタルプラデシュ州における店頭価格(ex-showroom in Uttar Pradesh)は3万1714ルピーと、HHMLの最低価格モデルCD Dawnの3万1900ルピーを下回る。モデルチェンジしたCD Dawnの好調な売れ行きを梃子にHHMLは、一時縮小したBALとの販売台数の差を拡大することに成功した。
BALの2月の二輪車販売台数は17万4220台と、昨年同月の17万9880台を3％下回った。これに対してHHMLは25万695台から28万515台に11.8％売上げを伸ばした。この結果、昨年9月に3万7883台まで縮まった両社の月間販売台数の差を10万6000台に再度拡大した。
市場アナリストらは、HHMLの製品ミックス中、モデル・チェンジしたCD Deluxe／CBZ X-treme／Passion Plus(限定販売)等が、モーターサイクル販売トップの座を目指すBALの攻勢食い止めに寄与したと見ている。
BALは125ｃｃプラス・バイクの価格も現在市場に出回る100ｃｃバイク並みに下方修正することを計画している。
Sridhar副社長が先のディーラー宛てメールの中で述べているところによると、100ｃｃセグメントから撤収し、顧客にハイバリューの新製品を提供するのは、単にBAL顧客を対象にしたものではなく、100ｃｃバイク顧客全体を想定したものである。Platinaの月間販売台数は6万台前後で、700万台の国内バイク市場のほぼ10％を占めている。バイク新製品の投入は4～5ヶ月後になると言う。