2007-03-05 ArtNo.39154
◆電子ハードウェア業界、消費税率/関税率の据え置き歓迎
【ニューデリー】情報技術製造業者協会(MAIT:Manufacturers' Association for Information Technology)は2月28日、IT製品に対する現行の消費税率と関税率を新年度も維持する新年度予算案の方針を支持するとともに、電子政府の推進加速や、公共流通システム(PDS:Public Distribution System)とFood Corporation of India (FCI)へのコンピュータ導入を歓迎した。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインとビジネス・スタンダードが3月1日報じたところによると、MAITのVinnie Mehta常務理事(ED)は「電子政府予算が中央政府レベルで82%増の719クロー(US$1.62億)、地方政府で66%増の500クロー(US$1.13億)とされ、さらにPDSとFCIの電算化も決定されたことは喜ばしい」と述べている。
Acer IndiaのConsumer Product Groupマーケティング担当重役(GM)S. Rajendran氏は「新たなイニシアチブの発表でIT製品の需要は拡大するだろう」、「安定した政策を遂行する政権であることを政府は巧みに示した。人々は減税で最終製品が全般的に値下がりするものと期待したが、政府はおそらく、変えないことで、安定した水準を維持するとのメッセージを送ったものと思う」と語った。
新年度予算はUSBフラッシュメモリ、DVDドライブ、DVDライターに対する消費税を免除する一方、パソコン(PC)、プリンタ、モニタ、キーボード、モデム、セットトップボックスなどについては最高小売価格(MRP)に消費税を課すとしている。実施期日は後日発表される。
PC、プリンタ、セットトップボックスなどは現行の工場出荷価格への課税からMRPへの課税になることで、価格が2~3%上昇する可能性がある。PCのMRPが3万ルピーとして、工場出荷価格は約2万ルピー、差額の1万ルピーには入市税、付加価値税、輸送費などが含まれる。これまでは工場出荷価格2万ルピーに対する課税(税率8%)で消費税は1600ルピーであったが、新年度からMRP3万ルピーに課税され、消費税は2400ルピーになる。モニタなどの税率は16%である。
情報技術販売業協会(TAIT:Trade Association for Information Technology)のスポークスマンUmang Mehta氏は「税率を上げずに税収を増やす、賢いやり方」と語る。IDCの調査では、インドPC市場は年率25%のペースで成長しているが、課税方法の変更がこれにどう影響するかについて、ZenithのRaj Saraj重役(CMD)は「MRPの根拠が分からないのでコメントのしようがない。PCのシステム構成は固定しておらず、グレーエリア」としている。
さらに新年度からコンピュータ・ハードウェア・エンジニアリング・サービスがサービス税の対象に含められた。この業種はこれまでコンサルティング・エンジニアリング・サービス種目に分類され、課税対象になっていなかった。
他方、小規模企業の消費税免除上限が1クロー(US$22万5000)から1.5クロー(US$33万7500)に引き上げられる。Umang Mehta氏は「これは5万社を超えるインドの組立企業にとって朗報」としている。IDCによると、組立PCの出荷台数は2006年度に27%伸び、PC出荷総数の40%を占めた。
しかし家電大手Samsung IndiaのR. Zutshi重役(DMD)は「新年度予算は家電部門の要求にほとんど答えていない」と不満をもらす。同氏は「関税が12.5%から10%に引き下げられたことが家電部門にとって唯一の負担軽減」、「12.5%から7.5%への樹脂の関税引き下げもささやかな負担軽減になるだろうが、家電価格に対する新年度予算の全般的な影響について言えば、消費者にとっては朗報はない」と語った。
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