【ムンバイ】インドの地元製薬大手は初期の挫折にもめげず新薬成分(NCE:new chemical entity)開発の夢を追い続けている。これらの企業は、Ranbaxyの抗菌薬シプロフロキサシンの1日1回投与システム等、後発医薬品や新薬投与システム(NDD:novel drug delivery system)領域において既にいくつかのヒット作を生み出しており、トップガンは、NCE領域でも過去2年間にかなりの成果を上げている。
ビジネス・スタンダードが2月19日報じたところによると、Ranbaxyのマラリア治療薬主成分RBX11160はフェーズIIbの服用量研究中で、失禁症治療薬主成分RBX9841はフェーズIIの臨床研究中、脂質代謝異常(Dyslipidemia)治療薬主成分RBX10558は臨床試験(IND:investigational new drug)の申請中だ。
Dr Reddy'sの糖尿病治療薬主成分DRF2593は最終段階の臨床試験中で、固形腫瘍治療薬主成分DRF1042はフェーズIIの臨床試験中、脂質代謝異常(Dyslipidemia)治療薬主成分DRF10945はフェーズIIの臨床試験中、アテローム性動脈硬化症(atherosclerosis)治療薬主成分RUS3108はフェーズIの臨床試験中、肥満治療薬主成分DRL11605はフェーズIの臨床試験中である。
Glenmarkの喘息/慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬主成分GRC3886はフェーズIIの研究中、タイプI糖尿病治療薬主成分GRC8200はフェーズIIの研究中、骨関節症/歯痛/神経因性疼痛(Neuropathic Pain)治療薬主成分GRC6211はフェーズIの研究中。
Wockhardtのメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)/耐性感染症(resistant infections)治療薬主成分WCK771はフェーズIIの研究中、呼吸器感染症治療薬主成分WCK1152はフェーズIの研究中、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌/耐性感染症治療薬主成分WCK2349はフェーズIの研究中と言う。
全国に2万社を数える製薬会社は何れも後発医薬品ビジネスに関わっているが、こうした地元製薬業界に、新潮流が生じた理由の1つには2005年に製品特許(product patent)制度が導入されたことが挙げられる。
海外からの刺激も大きく作用しており、世界の製薬産業は1990年代に年間350億~400億米ドルをR&Dに投じ、35~40種類の新薬を生み出した。RanbaxyのMalvinder Mohan Singh重役(CEO)によると、今や年間投資額は600億米ドルを超えており、生産性も高まっていることから更に多くの新薬が開発されるものと見られる。
Dr Reddy'sのR Rajagopalan社長によると、1940年代から1970年代はヨーロッパが創薬ビジネスを牽引した。1980年代そして1990年代には米国と日本がこれに加わった。インドで開発されたNCEは依然としてリバースエンジニアリングをベースにした模造品と嘲笑されているが、インドは今や当時の日本のレベルに達しつつあると言う。