SEAnews 2007-02-14 ArtNo.39080

【ニューデリー】インド第2の二輪車メーカー、Bajaj Auto Ltd(BAL)は、約8000クロー(US$18.06億)の現金余剰の効率的運用を目指す組織再編を計画しており、Rahul Bajaj会長の2人の子息、Rajiv氏とSanjiv氏にそれぞれ率いられる自動車会社と金融会社が誕生する。BAL取締役会は3月乃至5月に同問題を討議に付す見通しだ。
ザ・ヒンドゥー、ビジネス・スタンダード、ヒンドゥー・ビジネス・ラインが2月10日、マーチャントバンク筋の言等を引用し報じたところによると、現金余剰中の6000クロー(US$13.54億)が新設される投資金融サービス会社に注入され、新会社は非自動車ビジネスを手掛ける。同再編計画の下、BALは生命保険・損保会社に対する76％の出資やBajaj Auto Financeに対する42％の出資を初めとする、多くの合弁事業持ち分も新会社に移転する。
BALは残る2000クロー(US$4.51億)余りの現金余剰を、確定利付き証券(社債fixed income securities)として留保し、事業の拡張計画等に充当する。BALの自動車部品納入業者等への出資も同様に留保される。
以上の再編により、非自動車ビジネス中の株主価値が開放され、市場価値に基づく評価がなされることになる。例えばMerrill Lynchの報告によると、保険ビジネスの市価は36億米ドルにのぼる。BALは2006年3月末時点で5857クロー(US$13.22億)を上場／非上場企業や債券に投資している。この内上場企業に投じられた832クロー(US$1.88億)の時価は2841クロー(US$6.41億)にのぼる。
Rahul Bajaj会長の2人の子息の内、弟のSanjiv氏が常務取締役(ED)としてBALの輸出業務や財務の舵取りを引き受ける。同氏は新設される投資金融会社の専務取締役(MD)に就任する見通しだ。
兄のRajiv氏も引き続きBALの専務取締役(MD)を務め、恐らく新投資金融会社の取締役に就任するものと見られる。
組織再編は一族の反目が原因との説に触れ、Rahul会長は、「組織再編は過去4年来の懸案事項であり、もし『どうして今再編するのか』と質問するものがあるなら、『どうして今実行してはならないのか」と問いたい。RajivとSanjivはクローンではなく、それぞれ異なる意見を持っている。それは企業にとって良いことだ。Rajivと自分の意見も異なるし、自分と妻も時として意見を異にする。しかし我々はお互いに愛し合っており、一家族である。再編により当然株価は変動しようが、組織再編は最終的に株主の利益になる」と語った。