SEAnews 2007-02-14 ArtNo.39079

【ムンバイ】インド二輪車業界は年率17％を超える成長を遂げ、2002～2006年の間に売上が倍増したが、ここにきて好調に陰りが生じている。
エコノミック・タイムズが2月10日報じたところによると、二輪車市場には需要減退の明らかな兆候があり、全国の二輪車販売店に懸念が広がっている。しかしHero HondaとBajaj Autoの売上は前年よりも伸びており、まだ警鐘を鳴らす段階には至っていない。とはいうものの、こうした傾向を逆転するには相当な努力が求められそうだ。
インド西部の複数の販売店によると、通常3週間分の在庫が5週間分以上に増え、一部では過剰在庫がさらに膨らんでいる。ムンバイをベースにするHero Hondaの某大手販売店の在庫は、通常の3倍近い1500台に達している。
消息筋によると、Hero Hondaの販売店在庫総数は25万台以上、Bajaj Autoの販売店在庫総数は22万5000台以上と、販売店レベルの通常在庫水準のほぼ2倍に達している。Hero Honda幹部は取材に対して、上記の在庫数は誇張されていると語ったが、実際の数字を明らかにしなかった。
HDFC BankのAshok Khanna上級副社長は、生産過剰で市場に滞貨が生じており、こうした状況はなお数カ月続くと予想した。
複数の銀行幹部は二輪車需要低迷の原因として、金利の上昇を指摘する。過去2カ月間に金利は2％前後上昇、二輪車の2年ローン金利は大都市では21％、中小都市ではそれよりさらに2％ほど高い。
ICICI BankのVaidyanath重役(ED)は「初めて車を買う人の多くが二輪車ではなくいきなり自動車を買うようになった」と指摘する。情報技術(IT)とＩＴ対応サービス産業の急成長に伴い若い消費者の多くに経済的ゆとりができた。
HDFC BankのKhanna氏は「手頃な値段のＡ、Ｂセグメント中古車が豊富に存在し、消費者は安全と快適さを求めている。ローンも容易に組めることから、中古車が二輪車に取って代わりつつあり、同市場は年率25～30％の成長が望める」と語った。