2007-01-31 ArtNo.39007
◆ロシア、インドに最大10基の原子炉建設検討
【ニューデリー】プーチン大統領の訪印によりインド・ロシア原子力協力に新たな弾みがつく中で、ロシアがインドの様々な地点に最大10基の原子炉を建設する可能性が予想されている。
ヒンドゥー・ビジネス・ラインが1月28日報じたところによると、プーチン大統領に随行したロシア連邦原子力局(Rosatom:Federal Atomic Energy Agency)幹部らは二国間協議の席上、「ロシアはタミールナド州Koodankulam原子力基地に新たに4基の原子炉を設けることを認めたが、インド国内の異なる場所に別に6基を建設する用意がある」との考えを示した。しかしそれは原子力供給国グループ(NSG:Nuclear Suppliers Group)の次期会合におけるロシアの努力の成否にかかっている。
目下Koodankulamでは1000MW(メガワット)の原子炉2基の建設が進められており、ロシア企業100社以上が同プロジェクトに関係している。これらの企業の大部分は、新規プロジェクトでも契約を獲得することに期待を寄せている。何故ならロシアの支援には、ロシア製設備を用いる条件がついているため。
しかしプロジェクト・コストを賄うインド側は、核燃料供給のストップと言った投資リスクを負うことになる。
ロシアは草案作成、設備供給、建設、プロセスの艤装、ロシア企業内や原子力施設内におけるインド人操作員の訓練等に着手する見通しで、現在Koodankulamに建設中の発電所に用いられている1000MWの『VVER-1,000』水炉(water-cooled reactors)が、新たに建設される原子力発電所のいくつかにも用いられるものと見られる。現在世界的に250近い水炉が存在し、内49がロシア製VVERである。
Koodankulamの原子炉には、炉心溶融事故を想定した、運転停止、冷却、ローカライズ等の装置が備えられ、地震、ハリケーン、航空機の墜落等に備えた保護装置も設けられる。実際インド洋に面した既存の2つの原子力発電所は既に津波の被害を乗り越えている。
RosAtom幹部らと25日に会談したインド政府筋によると、ロシア側は『インド米国民生用原子力条約』が調印される中で、米国との競争が予想されるものの、インドの『原子力開発計画』に伴って開放されるインド市場の潜在性はロシアの原子力設備会社にとっては極めて大きな魅力と見ていると言う。
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