1995-11-13 ArtNo.3896
◆<馬>HICOM純有形資産半減、株価に衝撃も
【クアラルンプル】ヤハヤ・アハマド氏が国策重工業会社HicomホールディングズBhdの32%政府持ち株を購入するのに伴う組織再編で、Hicomの純有形資産が19億Mドルから9億7400万Mドルに半減することから、同社株価が衝撃を受けるものと懸念されている。
こうした純有形資産の激減はHicomがヤハヤ氏傘下の2企業を法外な高値で買収することに伴うもので、同取引はガデ(M)BhdをHicomの最大株主(32%)にするための一連の複雑な操作の一環とされる。ガデは傘下のユナイテッド・ストレーツ・フソーSdn Bhd(USF:三菱製4輪駆動車/トラック製造)を5億5000万Mドルで、またオートモーティブ・コープ(M)Sdn Bhd(ACM:イスズ車製造)を6億5000万Mドルで、それぞれHicomに売却する。某外国証券会社のアナリストは「これではHicomは損失を被る。恐れていたことが起こった。Hicomの株価は打撃を受けると思う」と語った。またUSFとACMにつけられた正札に愕然としたと語る某銀行系列の証券会社トップは、「証券委員会がこんなことを認めるとは信じ難い」と指摘した。同取引が完了すると、ガデの純有形資産は9000万Mドルから8億Mドルに、ガデ子会社のディバーシファイド・リソーシズBhd(DRB)のそれは1億1850万Mドルから6億590万Mドルに跳ね上がる。
しかし、ヤハヤ氏は10日の記者会見の席上、組織再編が一部のものに利益を及ぼすに過ぎないとの批判に触れ、「関係企業全てが利益を受けるが、一部のものが他のものより早く恩恵を受けるだろう」と語った。また2億5800万ワラントと9億5000万Mドルの社債で、Hicomの純有形資産は21億8000万Mドルにアップすると言う。同社債はUSFとACMの買収費用の一部に充当される。ヤハヤ氏のHicom権益買収は一部に不満を生じさせたが、与党統一マレー国民組織(UEM)青年部は直ちに取引支持の立場を表明している。(BT,ST,NST,MBT,STAR:11/11)
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