SEAnews 2007-01-12 ArtNo.38917

【ニューデリー】Dayanidhi Maran通信情報技術相は先月、『2007年はブロードバンド年』と宣言、ブロードバンド利用者を毎月100万人ずつ増やす目標を提起したが、同目標の成否は取り分け家庭を中心にしたパーソナル・コンピューター(PC)の普及にかかっている。しかしこの方面の統計数字は決して明るい見通しを示していない。
インディアン・エクスプレスが1月9日報じたところによると、インドのPC産業は過去数年にわたり25～30％の好成長を遂げてきた。世界の平均成長率10～12％に比べると、この数字は高く見える。しかしこうした高成長率は非常に狭い範囲の需要に支えられたもので、一般消費者にはほとんど普及していない。
IDCの調査によると、一般向けデスクトップPCの伸び率はほぼ横ばい状態で、2006年第3四半期は前年同期比わずか2％の伸びにとどまった。これに対して企業向けデスクトップPCは24％増加、教育部門が牽引するノートブックPCに至っては79％の伸びを記録した。
インド全体のPC設置台数は約2200万台で、うち家庭に設置されているものは半数に満たない。インド全体のPC普及率はわずか2.2％、家庭への普及率は0.7％にとどまっている。つまり、1000人当たりのPC台数は22台、家庭については10台に満たないわけだ。この数字は新興工業国の中で最も低い。
インドの携帯電話台数は1億3000万台で、12～15カ月後には2億台を超えるものと予想されている。携帯電話使用者は月600万人の速度で増えており、これはPCの年間販売台数を上回る。
PCと携帯電話を単純に比較することはできないが、政府と業界の関心と努力が僅か数年で携帯電話をここまで普及させたものと言える。それ以前には、高い電話機と電話料、不合理な政策と規制の下、テレコム産業は低迷していた。
政府と業界は過去数年、PCの普及にも取り組んできた。『1万ルピー未満パソコン(sub-10K PC)』もその一つだが、こちらは期待した効果を上げていない。とは言え希望がないわけではない。IDC Indiaのパーソナルコンピューティング調査主任Piyush Pushkal氏は、「sub-10K PCは売上増には結びつかなかったが、PC販売店を訪れる客の数を増やしてくれた」と語っている。