1995-11-11 ArtNo.3884
◆<馬>KLオフィス/小売スペース、今世紀末には深刻な過剰に
【クアラルンプル】過去6年にわたりブームを謳歌してきたマレーシアの不動産市場は主要な高層ビルやモールの開発が完了する今世紀末には深刻なオフィス/小売スペースの過剰に直面する見通しだ。
ラヒム・アンド・カンパニー・リサーチSdn Bhdの幹部は、世界最大の不動産開発事業と言われるクアラルンプル・シティー・センターの開発に対してあまりにも楽観的な見通しがなされてきた嫌いが有ると指摘する。同氏によればKLCCだけでも14万平米の小売スペースを含む50万平米以上の商業スペースが供給され、1998年にはクアラルンプル市内の商業スペースは現在の290万平米から410万平米に拡大、2000年にはオフィス・スペースは40%、小売スペースは25~30%の供給過剰に陥ると言う。
アズミ・アンドCo Sdn Bhdの不動産評価士も不動産市場のダウンターンは急速に訪れるだろうと警鐘する。それによると現在の建設ブームでクアラルンプルに殺到した外国のエンジニアリング会社やインフラストラクチャー企業は、プロジェクトの完成に伴いそのオフィスのサイズを縮小、もしくは完全に閉鎖、エンジニアも続々帰国することから、供給がピークに達する時点で逆に需要は縮小する。加えてプトラジャヤ新行政センターが完成する2005年には政府省庁が大挙同センターに移転するため、膨大な空きスペースが生じ、需給バランスの不均衡は極限に達すると言う。(BT:11/10)
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