2006-12-11 ArtNo.38831
◆Blackstone/RCL共同でHutch-Essar権益買収?
【ニューデリー】世界最大のプライベート・エクイティー会社Blackstone GroupとAnil Ambani氏のReliance Communications Ltd(RCL)が手を携えて、香港企業Hutchison Telecommunications International Ltd(HTIL)から、80億米ドル余と見積もられるインド第4位の携帯電話サービス会社Hutchison Essar Ltd(HEL)の52%持ち分買収を図るものと予想されている。
インディアン・エクスプレスが12月8日報じたところによると、米国紙はこのほど以上の見通しを伝えた。それによると、別のプライベート・エクイティー会社Texas Pacific Groupも、HEL権益に入札するものと予想される。ちなみに80億米ドルの予想買収価格はHELの160億米ドル以上の市価から推定したもの。
現在、HTILがHELの52%の権益を保持する他、Ruia一族が率いるEssarグループが33%権益を、Analjit Singh氏とAsim Ghosh氏(HEL専務)がTelecom Investments Indiaを通じて残りの15%の権益を、それぞれ握っている。
現行法の下、テレコム企業のプロモーターはライバル企業の10%を超えるシェアを取得することはできず、同一の主要株主を有するテレコム企業2社はそれぞれのサークルの合計66%以上の市場シェアを占めることもできない。
このためRCLは、HEL権益を買収するコンソーシアムの支配権益を保持することはできない。何れにしてもEssarグループはRCLがHEL権益を取得することに当然反対するものと見られる。
HTILのプロモーターHutchison Whampoaは、パートナーEssarグループとの関係悪化からHEL持ち分の売却を決めた。HutchisonとEssarの最初の紛争は、EssarがEssar Spacetelを通じて独自に7サークルの営業ライセンスを申請した際に発生したが、その後、Hutchison WhampoaがHTILの19.3%持ち分をエジプト最大のテレコム企業Orascomに売却すると、EssarグループはHTIL権益のOrascomへの売却は地元パートナーの同意を得ておらず、ナショナル・セキュリティーに脅威を及ぼすと、政府に訴えた。しかし政府はまだ判断を示していない。
HELは16サークルにおいてそのサービスを提供、2000万人の契約者を有する。これに対してRCLは23サークル全てを経営、2900万人の契約者を保持する。
HELは残りのサークルのライセンスも申請しているが、プロモーター間の紛争がHELの事業拡張計画や公開公募(IPO)計画にもマイナスの影響を及ぼしている。
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