2006-12-08 ArtNo.38812
◆Tata Steel/日本郵船、海運合弁会社設立
【コルカタ】Tata Steel Ltd(TSL)は日本郵船株式会社(NYK Line)と出資率50:50、資本金1000万米ドルの合弁会社を設立し、海運ビジネスに進出する。
インディアン・エクスプレス、ビジネス・スタンダード、ザ・ヒンドゥーが12月4/5/6日報じたところによると、日本郵船の倉本博光専務経営委員とTSLのB Muthuraman重役(MD)は4日、ジャールカンド州JamshedpurのTSL本社で関係協定に調印した。新海運会社はバラ積み乾貨物(dry bulk)と混載貨物(break-bulk:到着地で荷主ごとに仕分ける)を主に手掛ける。
TSLは同合弁を通じ、ロジスティクス・コストと運輸コストを節約でき、また日本郵船の輸送網にアクセスできる。
TSLは大規模な拡張計画に伴うロジスティクス問題を解決する諸施策を講じる方針をこれ以前に発表していた。TSLは、鉄鉱石/石炭/ガスを豊富に産する国で鉄鋼の一次生産を行い、欧州/米国等の先進国やインド/中国/東南アジア等の急成長市場に完成品や付加価値製品を製造する工場を設けるいわゆる開放分散型(de-integrated model)ビジネス・モデルを採用している。Corus買収計画も海運事業進出の恩恵を受けられる見通しだ。
ロジスティクス面ではTSLはLarsen & Toubro Ltd(L&T)と共同でオリッサ州Dhamraに全天候型の深水港を設ける計画を進めている。バラ積み貨物を処理する同港のキャパシティーは2500万トンに達する。
タタ・グループの他の企業も国際的な事業を展開しているため、ロジスティクスの掌握は大きなビジネス・センスを有する。タタ・グループはこれ以前から日本郵船と提携しており、Tata Teaも日本郵船と50:50の合弁でTata NYKを設立した経緯がある。しかしTata Teaは中核業務に専心するため2001年に40%の持ち分を日本郵船に売却した。
海運アナリストによると、今日船舶の購入コストはピークに達しているため、新合弁会社は当面短期チャーター契約に依存せざるを得ないものと見られる。
鉄鋼会社は海運会社と提携して輸送コストの引き下げに努めている。Arcelor MittalもShipping Corporation of India (SCI)と50:50の合弁会社を設ける交渉を進めており、間もなく関係覚書を取り交わす見通しだ。同合弁会社は1億7500万~1億8000万トンの鉄鉱石、7000万~8000万トンのコークス用炭、そして相当量の鉄鋼製品の輸送を手掛けるものと見られる。
一方、多角経営路線を採用するL&Tは2000クロー=4億4600万米ドル余を投じて造船所を設ける計画を発表した。同社はタミールナド州/アンドラプラデシュ州/マハラシュトラ州/グジャラート州沿岸地域の造船所候補地を物色している。
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