SEAnews 2006-11-10 ArtNo.38694

【ムンバイ】ニューデリー拠点のBhushanグループはSingal一族の内紛で分裂、兄のSanjay Singal氏が未上場企業Bhushan Power and Steel (BPSL)とともにグループから離脱、弟のNeeraj Singal氏とその父親Brij Bhushan Singal氏はボンベイ証券取引所(BSE)上場のBhushan Steel & Stripes (BSSL)の支配権益を維持する見通しだ。
エコノミック・タイムズが11月8日伝えたところによると、原因は定かでないが、父親とSanjay氏の間に確執が生じ、弟のNeeraj氏は父親に与したようだ。結局BhushanグループはSanjay／Neeraj両兄弟の間で平等に2分割されることで原則的合意が成立したものの、グループ企業の資産価値の評価を巡り、再度対立が生じたようだ。父親のBB Singal氏と弟のNeeraj氏は、Sanjay氏が好収益を上げるBPSLをグループから切り離すのを不服とし、会社法委員会(CLB:Company Law Board)に訴える構えだ。
グループ創設者のBB Singal氏は1度事業に失敗したが、その後1970年代初にChandigarhで鋼線(wire rod)ビジネスを立ち上げ、1981年には最初の圧延施設を設けた。Sanjay氏が加わった後、ビジネスは急速に成長、本拠地Chandigarhの施設をアップグレードしただけでなく、デリー近郊Sahibabad／西ベンガル州Kolkata／ネパール／マハラシュトラ州Khopoliにも拠点を設け事業を拡張した。
消息筋によると、Sanjay氏はBSSLの副会長を務めているが、最近は同社取締役会議に出席していない。このため同氏は間もなくBSSLの取締役会から退くものと見られる。またウェブサイトに掲載されたBPSL取締役会名簿を見ると、1週間前には父親のBB Singal氏が会長を務め、Neeraj氏も取締役に名を連ねていたが、アップデイトされたサイトでは、Sanjay氏が会長兼MDを務め、父親と弟の名は抹消されている。
一方、BPSLの90％の権益を握るSanjay氏は、BPSLの少数権益をBarings Asiaに3300万米ドルほどで売却することでほぼ合意したようだ。消息筋によれば、Barings AsiaはSingal一族の紛争が解決していないにも関わらず同取引を実行する方針を決めたもようで、向こう2週間以内に公式発表が行われる見通しだ。
消息筋によると、BPSLとBSSLの間に株式の持ち合いは存在せず、ビジネスと資産の共有関係も存在しない。こうしたことからも観測筋は最終的に廷外和解が成立するものと予想している。
Bhushan Ltd／Bhushan Industries／Bhushan Metallics／Decor Steelが合併して発足したBPSLは主に鋼板(flat)、丸棒(rounds)、付加価値製品を製造、Chandigarh／パンジャブ州Derabassi／Kolkata／オリッサ州に工場を有する。同社は2、3年前にはグループ売上げの25％を占めていたに過ぎないが、親会社BSSLを上回る年率40％の急成長を遂げている。加えてBPSLのオリッサ州における事業は既にキャッシュフローを生じており、来年には全計画が完成する。これに対してBSSLの新プロジェクトは2009年の稼働が見込まれるに過ぎないと言う。