1995-11-10 ArtNo.3869
◆<馬>中央銀行前顧問、プレミアム付きで赤字百貨店権益買収
【クアラルンプル】昨年7月に中央銀行顧問のポストを退いたノール・モハマド・ヤコプ氏は8日、赤字経営の上場百貨店マンルンの28.1%の権益を60%以上のプレミアム付きで買収、市場筋を驚かせた。
金融サービス会社アブラル・グループ・インターンショナルのワン・ムハマド重役(CEO)がBT紙に語ったところによれば、同氏の元同僚のノール・モハマド氏は個人の資格でマンルンの900万株をブンタ・プランテーションから購入した。ワン氏は買収価格には触れなかったが、消息筋によると、1株8Mドル以上だったようだ。マンルン株は火曜には4.86Mドルで取引されており、同買収価格は60%以上のプレミアム付きとなっている。しかし証券業界筋がチェックしたところ、この日は同じ証券会社によりマンルン株1727万株が1億5560万Mドル、従って1株9Mドルで購入されており、また別に140万株が1株8.90Mドルで取引されている。
ノール・モハマド氏はアブラル・グループの90%子会社ジャティ・ディスカウンツのアドバイザーを務めている。マンルン社は今年3月末締め年度に406万Mドルの純損失を計上しており、アナリストは今回の取引価格に驚きを隠さない。しかしブンタ・プランテーションは今年9月にマンルン権益を1株9.50Mドルで購入しており、今回の取引でこれまでのホールディング・コストも含め1500万Mドル余りの損失を被ったものと見られる。ブンタはジョホールの商業コンプレックス、プラザ・ベスト・ワールドを所有しており、マンルンはそのアンカー・テナントでもある。マンルンは目下ジョホール州のグラン・パタにおける996haの土地収用を巡り、同地における80億Mドルのタウンシップ開発を手掛けるレノン・グループと法廷訴訟中で、ブミプトラ・ビジネス界の若手実業家の1人に数えられるブンタのエスワルナ重役(MD:34歳)も同権益に目を付けていたようだ。観測筋はブンタがマンルンの権益を長期にわたって保持するコストに耐えきれず、これを手放す方針を決めたものと見ている。(BT:11/9)
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