【ニューデリー】データ処理や個人情報の保護に対する内外の懸念が高まる中で、インド政府は16日、『2000年情報技術法(Information technology Act 2000)』を修正することを閣議承認した。
エコノミック・タイムズ、インディアン・エクスプレス、ヒンドゥー・ビジネス・ラインが10月16/17日報じたところによると、これに先だって英国の放送局はインドのコール・センターに横行するデータ窃盗行為を報じていた。閣議後記者会見したP R Dasmunsi国会対策相は、「政府の今回の方針決定は、先週ロンドンで外国投資家に対し、『インド政府はデータ窃盗やデータ漏洩に対する投資家の懸念に敏感であり、法律の穴は直ちに塞ぐ』と語ったManmohan Singh首相の公約を履行するもの」と指摘した。同相によると、2000年IT法修正案は冬期国会に上程される。
現行法規は、電子取引(e-commerce)の成長を促し、電子政府(e-governance)を実現する法的環境を醸成するために2000年に施行されたが、電子取引詐欺/フィッシング詐欺/その他のマルチメディア犯罪が増加する中で、データ処理や個人情報を保護するための一層の安全対策の必要性が指摘されるようになった。
また国連国際取引法委員会(UNCTRIL:United Nations Commissions on International Trade Law)の電子署名に関するモデル法が提起しているように、IT法は技術的に中立でなければならず、代替技術の開発を促進するとともに、新技術が誕生するごとに法制を修正せねばならないような事態も回避せねばならない。
ソフトウェア・サービス会社全国協会(NASSCOM:National Association of Software and Service Companies)は、「IT法の修正は、IT-BPO領域の安全対策に関わる法規の整備に関係しており、修正案には業界の提案の大部分が盛り込まれている。またサイバー犯罪に対する当局の監督取り締まり能力も強化される」とのステートメントを発表した。