SEAnews 2006-09-18 ArtNo.38447

【チャンバ】国営水力発電会社National Hydroelectric Power Corporation(NHPC)は火力発電及び複数の州を跨ぐ電力取引事業に進出、経営の多角化に乗り出す。
エコノミック・タイムズ、ビジネス・スタンダード、インディアン・エクスプレスが9月14／15日伝えたところによると、ヒマチャルプラデシュ州Chamba県Chamera I／Chamera II水力発電所を視察したNHPCのSK Garg会長兼MDは以上の消息を語った。
それによると、NHPCとマドヤプラデシュ州政府の合弁会社Narmada Hydroelectric Development Corporation(NHDC)は同州政府と2000MW(ﾒｶﾞﾜｯﾄ)の石炭火力発電所を設ける初歩的な協議を進めている。NHDCは現在同州内に2つの水力発電所を設けている。また複数の炭坑会社とキャプティブ発電ユニットを設ける話し合いも行っている。
これは急増する電力需要に応じるための措置で、NHPCは引き続き水力発電を中核として行く。NHPCは水力発電の専門家チームを保持するが、火力発電を手掛ける際には、新たに専門家を雇うか、既存スタッフに必要な訓練を施さねばならない。
NHPCはまた発電した電力をPower Grid Corporation of India Ltd(PGCIL)や発電所が設けられた州内の消費者に販売する他、来年はサードパーティー・アレンジメントを通じた電力の州際取引(inter-state trading)に乗り出す。しかし送配電ビジネスやガス火力発電所の経営を手掛ける計画はない。
NHPCは海外事業計画の一環として、ネパールに500MWの発電所を、またブータンには合計1600MWの2発電所を設ける。
NHPCの2005－06年度売上げは1714クロー(US$3.66億)、純益は742.75クロー(US$1.59億)をマークした。NHPCは発電能力を現在の3750MWから2012年までに1万MWに拡大することを目指している。
一方、NHPCのS C Gupta重役(ED)がビジネス・スタンダードに語ったところによると、ジャム＆カシミール州Doda県における1000MWのPakal Dul及び1020MWのBersar両水力発電プロジェクトは、Kishtwar野生動物保護区に属するため全国野生動物局(National Wildlife Board)の認可を待っている。電力省はパキスタンとの間で結ばれたインダス水利条約(Indus Waters Treaty)の制限を受けないため、両プロジェクトに大きな期待を寄せているものの、野生動物保護区に位置するため新たな難問に直面していると言う。