2006-08-23 ArtNo.38309
◆RasGas、Dabhol powerへのガス供給引き受け
【ムンバイ】カタールのRasGasが2007年4月からガスを供給することを認めたことから、Dabhol発電所は終に燃料確保の目処が立ったようだ。
インディアン・エクスプレスは8月19日、消息筋の言として以上のように報じたが、Gas Authority of India Ltd(GAIL)が如何なる価格でRasGasからガスの供給を受けるかは伝えていない。
Dabhol発電所は輸入ナフサを燃料に2006年10月から操業を再開する。インド政府は最近、Dabhol powerのオーナー、Ratnagiri Gas and Power (RGPPL)に対し、輸入ナフサに対する課税を100%免除することを認めた。発電した電力の新料金についてはマハラシュトラ電力監督委員会(MERC:Maharashtra Electricity Regulatory Commission)が9月半ばまでに決定する。
消息筋によると、RasGasは当初、往時のDabhol Power Company (DPC)が姉妹会社Oman Gasとの契約を反故にしたことを理由に、RGPPLへのガス供給を拒絶した。しかしインド政府がカタール政府に対する舞台裏での外交を展開した結果、終に供給を認めた。
しかしガス供給は決してRGPLが直面する唯一の問題ではない。液化天然ガス(LNG)ターミナルが未完成の状況下に如何にしてガスを発電所まで送り届けるかも難問の1つと言える。唯一の選択肢はパイプラインで供給することだが、そのためにはDahej-Uranガスパイプラインの支線Panvel-Dabholスポークを完成させねばならない。
マハラシュトラ州政府筋によると、GAILは来年4月までにパイプラインを完成させると保証しているが、関係工事は始まっていない。Dabholに設けられるLNG再ガス化プラントのキャパシティーは500万トンと、発電所が必要とする210万トンを上回っており、GAILはパイプライが完成すれば余剰ガスを他州に供給することもできる。
発電所の補修費用は当初850クロー(US$1.82億)と見積もられたが、その後1400クロー(US$2.99億)に修正され、さらに2000クロー(US$4.27億)に上方修正された。このため金融機関は同費用を賄う金融アレンジに見直しを加える必要がある。配電会社Maharashtra State Distribution Company (Mahadiscom)が1ユニット0.93ルピー以上での電力の買い取りを拒んでいることからも、金融機関は同コストは余りに高すぎると感じている。補修コストの膨張により1ユニット当たりの電力料金は93ルピーを遙かに上回る見通しで、Mahadiscomは、93ルピーを上回るコストは債権金融機関が負担すべきだとしている。しかし債権金融機関はその種のコスト負担は到底受け入れられないと見ている。
加えて観測筋はLNGターミナルと防波堤が未完成なため、時間的遅れが生じれば、一層のコスト上昇を招くと予想している。両施設の完成に要する時間は3年と見積もられる。RGPPLが発電所の管理を引き継いだ時点で防波堤は55%完成しており、同工事を完成させるには560クロー前後を必要とする。電力省は妥協案として防波堤工事を放棄することを提案したが、GAILは防波堤なしで航路を使用することはできないと報告したとされる。
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