【ニューデリー】インド政府はチャンディガルの全国薬学教育研究学院(NIPER:National Institute of Pharmaceutical Education & Research)に倣って新たに5つの薬学教育研究機関を設ける準備を進めている。
インディアン・エクスプレスが8月3日、オフィシャルの言として伝えたところによると、新施設は、アンドラプラデシュ州Hyderabad/グジャラート州Ahmedabad/西ベンガル州Kolkata/ビハール州Hazipur/アッサム州Guwahatiに設けられ、多くの科学者を育成するとともに、独自、もしくは大手製薬会社と提携して動物毒性調査(animal toxicology studies)を含む創薬研究を手掛ける。
化学・肥料省は第11次五カ年計画期間に同目的のために1校当たり150クロー(US$3205万)、合計750クロー(US$1.6億)を支出する必要があると見積もっている。NIPERは国会法(Parliamentary Act)に基づいて設立されたが、新たに5校増設するには、同法を改正する必要がある。
多国籍企業は創薬事業に多額の投資を行うが、伝染病の治療法の研究にはさして関心を示さない。このため新機関はこの方面の研究に力を入れる。例えば結核やマラリア等の病原菌は既存薬に対する抵抗力をつけている。この他、癌やエイズの治療薬も新機関の主要な研究対象になる。
チャンディガルのNIPERは、研究室レベルの処理を拡張する狙いから合成薬理活性原末(synthetic Active Pharmaceutical Ingredients)やハーバルの試験製造施設を備えている。また薬品の生物学的同等性(bio-equivalence)や生体内利用率(bio-availability:生物体内に物質を取り込む可能性)の研究も手掛け、ゲノミクス(genomics)/プロテオミクス(proteomics)/計算生物学(computational biology)/標的創薬(target-based drug discovery)ツールの開発等、新領域にも進出していると言う。