2006-07-05 ArtNo.38023
◆昨年の鉄鋼輸入375.6万トン、3年で倍以上に拡大
【ニューデリー】インドの鉄鋼輸入は2002-03年の151万トンから2005-06年の375万6000トンに年率約9.70%の成長を遂げたが、国内生産の伸びは6.60%にとどまった。
エコノミック・タイムズが7月3日政府筋の言を引用し伝えたところによると、鉄鋼輸入は国内の需給ギャップばかりだけでなく、国際価格と国内価格のギャップを埋める機能も果たしている。現在国内鉄鋼価格はトン当たり500米ドル以上だが、中国におけるそれは470~480米ドル、極東のそれは450~480米ドルとなっている。しかしトレーダー筋はこうした傾向が今後も持続するか否かに関してはなんとも言えないとしている。現在、進められている主要鉄鋼プロジェクトが完成するなら、インド国内鉄鋼市場に供給過剰が生じる可能性も予想される。全国鉄鋼政策(NSP:National Steel Policy)の下、国内年間鉄鋼生産量は現在の4000万トンから2011-12年までに1億1000万トンに拡大される。
鉄鋼輸入の急増に伴い、鉄鋼製品の純輸出は2002-03年の450万トンから2005-06年の435万トンに微減した。
第11次五カ年計画の作業グループは、今後良好な需給バランスが実現されると見通しているものの、業界観測筋は中国が鉄鋼純輸出国に成った際には、国内鉄鋼メーカーがその生産プロセスをより競争力あるものにしない限り低価格な中国製品のダンピング場になる恐れがあると指摘している。
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