【ニューデリー】インドのパーソナル・コンユーター(PC)市場は現在の年間ほぼ500万ユニットから数年内に2倍に拡大するものと見られ、アジア太平洋地域で最も急成長する市場になっている。こうした中で内外のPC製造業者がビーラインを成し、先を争って新工場の建設や既存工場の拡張を図っている。
エコノミック・タイムズが5月27日報じたところによると、Dellが今年末までに工場を設ける計画を発表すれば、ライバルのLenovoは年間製造能力を現在の60万ユニットを100万ユニットに拡張する計画だ。LenovoはPondicherryの既存工場を拡張する。
最近、年間製造能力を60万ユニットから100万ユニットに拡大した地元のHCL Infosystemsも、設備能力の一層の拡張を通じデスクトップとラップトップ合わせて年間140万ユニットを製造することを目指している。
マレーシアに1工場、中国に2工場を有し、世界的には10番目になるDellのインド工場がどれほどのキャパシティーを備えるか定かでないが、現在4%に満たない市場シェアのDellが、HCL、ヒューレットパッカード(HP)、Lenovo等に伍してシェアを拡大するには、工場の建設が不可欠で、今設けねば、時機を失すると、同社は判断したものと見られる。DellのPaul-Henri Ferrand副社長兼GM(南アジア担当)は、「工場の建設により市場の需要に5日以内に応じられるようになる。インド工場は当面デスクトップPCに照準を合わせる。これはインドPC市場の85%がデスクトップで占められているため」と語った。
情報技術製造業者協会(MAIT:Manufacturers' Association for Information Technology)のVinnie Mehta常務理事によると、インドPC市場は年率25~30%の成長を遂げており、2005-06年の販売台数は前年の360万ユニットから450万ユニットに拡大したものと見られる。ラップトップの販売台数は年間40万ユニットで、年率100%の伸びを見ている。これに対してデスクトップの伸びは年率28~30%。アセンブルPCのシェアは2、3年前の60%から35%に縮小した。減税、値下げ競争、内陸市場の開拓、サービス網の拡大が、ブランドPCのシェア拡大と、アセンブルPCのシェア縮小をもたらしたものと見られる。